ブロードウェーミュージカル「ピピン」。9月20日まで公演(提供写真)。(C)Shinobu_Ikazaki【拡大】
1972年に鬼才、ボブ・フォッシー演出で初演されたブロードウェーミュージカルが初来日。2013年に再演された際の新演出版で、旅芸人一座のショーを舞台に王子ピピンの自分探しの旅をつづっていく。初演、再演とも米トニー賞を受賞、今回はミュージカルとサーカスが一体となった前半が見どころだ。
ピピンは大学を卒業して人生の目的を模索中。故郷に戻り戦に同行するが心は満たされない。暴君だった父王チャールズを暗殺して国民のために尽くそうとするが、父は生き返り再び王位につく。疲れたピピンは身近な人たちとの穏やかな生活に価値を見いだす。
あらすじを追うと初演時の米国における、ベトナム戦争への反戦ムードが透けてみえる。だが今回その印象は薄い。サーカス小屋のような舞台で、キャストはアクロバチックな動きで歌い踊り、命綱のない空中ブランコに輪くぐりまでこなす。なまめかしく歩く女性の下半身など、手品のような仕掛けもある。