参院本会議の問責決議案で、一人牛歩戦術を行い投票を行った後、安倍晋三(しんぞう)首相(左)に対して手を合わせるという行為を行った生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎氏(右下)=2015年9月18日午後、国会・参院本会議場(斎藤良雄撮影)【拡大】
容易に近づけない尖閣諸島
陸自の駐屯地建設が進む日本最西端の与那国島(沖縄県与那国町)で自動車整備工場に勤務する与那原繁さん(53)は「自分の国は自国民が守る。そのための法整備は当たり前のことだ」と力を込める。
島では、昨年、台湾からボートで来た男が島に現れる騒動があった。広島県警が指名手配中の容疑者だと分かったが、与那原さんは「工作員だったらどうするのか」と不安を訴える。
与那国町では2月に陸自部隊配備の是非を問う住民投票が行われ、賛成が反対を上回った。海洋進出を強化する中国に対する住民の危機感は高まっている。
「いつまでも逃げ腰では相手国につけ込まれるだけだ。法案成立は抑止力につながるはずだ」。与那原さんは、そう考えている。
中国公船とのにらみ合いが3年以上続く尖閣諸島(沖縄県石垣市)。尖閣諸島を守る会顧問の新垣哲司・沖縄県議も危機感を募らせる。尖閣諸島は好漁場だが、日本漁船は「何をされるか分からない」と容易に近づけない状態が続いている。
新垣県議は「日本の防衛の隙を見て、どんどん中国公船が入ってきている現状を変えていくためにも法整備は必要だ」と話す。