安全保障関連法案を可決した参院本会議=2015年9月19日未明、国会(福島範和撮影)【拡大】
集団的自衛権行使を限定的に可能にする安全保障関連法は19日未明、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。日本の安全保障体制にとって歴史的転換点となり、わが国周辺の安保環境の急変に対応するための防衛力は大幅に強化される。投票結果は賛成148票、反対90票。与党のほか、次世代、元気、改革の野党3党が賛成に回った。
安倍晋三首相は19日、成立を受けて「野党3党の賛成も得て成立させることができた」と記者団に強調。その上で「この法制は国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な法制だ。今後も積極的な平和外交を推進し、万が一の備えに万全を期していく」と述べた。
国会では18日、廃案を狙う民主党と維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党5党が衆院に内閣不信任決議案を提出。民主党は参院に安倍首相の問責決議案も提出して採決に抵抗したが、いずれも与党などの反対多数で否決された。
新法制は、自衛隊法や武力攻撃事態法など10本をまとめて改正した「平和安全法制整備法」と、他国軍の後方支援を随時可能にする新法「国際平和支援法」の2本で構成。米国など「密接な関係にある他国」に対する武力攻撃が発生した場合、わが国の「存立危機事態」と認定されれば、集団的自衛権の行使を可能にする。