安全保障関連法案を可決した参院本会議=2015年9月19日未明、国会(福島範和撮影)【拡大】
一方、政府は19日の持ち回り閣議で、安保関連法に基づく自衛隊の海外派遣をめぐる国会関与の強化を決定した。
集団的自衛権の行使や他国の後方支援のための自衛隊派遣に際し、国会の事前承認を要件とする範囲を広げる内容が柱。与党と野党3党の合意について「趣旨を尊重し、適切に対処する」とし、政府として合意を担保した形だ。
《野党のルール違反横行 未明までドタバタ劇》
参院は18日午前から19日未明の安全保障関連法成立まで、ドタバタを繰り返した。野党は本会議において、長時間演説で議事進行を妨害する「フィリバスター」を展開し、採決では投票を遅らせる「牛歩」も繰り出した。「良識の府」であるはずの参院で、ルール違反が横行した。
投票に牛歩展開
「米国と経団連にコントロールされた政治家は辞めろ!」
生活の党と山本太郎となかまたちの山本太郎参院議員は19日未明の安保関連法案の採決時、投票箱のある壇上に進むと立ち止まり、こう叫んでから、そっと事務方に青票(反対)を手渡した。複数の野党議員も投票する際、壇上で「戦争法案、反対!」などと大声で叫んだ。山崎正昭議長が可決を宣言すると、本会議は「憲法違反」コールに包まれた。