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【野口裕之の軍事情勢】「不都合な歴史」明治を封印するアンポ反対派の「昭和好み」 (2/5ページ)

2015.9.21 06:00

1901(明治34)年12月、英国との同盟を論じる元老会議が開かれた当時の桂太郎首相の別荘「長雲閣」。翌月締結された日英同盟は極めて強大な力を発揮した=2013年4月28日、神奈川県三浦郡葉山町(荻窪佳撮影)

1901(明治34)年12月、英国との同盟を論じる元老会議が開かれた当時の桂太郎首相の別荘「長雲閣」。翌月締結された日英同盟は極めて強大な力を発揮した=2013年4月28日、神奈川県三浦郡葉山町(荻窪佳撮影)【拡大】

 もっとも、打ちひしがれている余裕はなかった。悪魔的な南下政策の下、滿洲・朝鮮で権益拡大を謀るロシアは属領化を狙った。滿洲・朝鮮を平らげれば、日本に触手をのばす野望は明らかだった。

 今も昔も、凶暴な強国の脅威に直面する国が、同盟を以て勢力均衡を図る生存戦略は当然の権利で、他に国民の命を守る術がないのなら義務でさえある。国家・国民の生存権を問答無用で憲法の下位に固定するアンポ反対派に、平和を語る資格はない。

 アンポ反対派が、法律がキナ臭い国際情勢の後から着いてくる帝国主義時代にタイムスリップすれば、目を剥くはず。従って、世界の海を支配しパックス・ブリタニカ(英国の力に守られた世界平和)を維持、陽の没することなき大英帝国と対等な同盟を結ぶ意義は絶大だった。しかし英国も、極東の小国と誼を通じざるを得ない窮状に囲まれていた。

 ロシアは極東艦隊を拡充。ところが、工業力が急伸するドイツは英国に備え艦隊を増強中で、欧州正面の海軍力を極東に割く余裕がなかった。露仏同盟にもはさまれて《名誉ある孤立》は揺らいでいた。

日本への信頼が背中押す

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