報道によると、チームは2012年に米非営利団体(NPO)「クリーンな輸送に関する国際会議」から5万ドル(約600万円)の助成金を受け、ディーゼル車の排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の測定を委託された。メンバーの一人は、「学内でもマイナーな存在だったチームが助成金を獲得できたことに大喜びだった」と、当時を振り返る。
測定対象は、VWの乗用車「パサート」と「ジェッタ」、独BMWのスポーツタイプ多目的車「X5」の3車種。試験はもともと、欧州メーカーのディーゼル車の環境性能の高さを証明するのが目的だったというが、驚くべき結果が出た。
違法ソフトを解明
チームは、ローラーの上を疑似走行する通常の測定装置ではなく、実際に路上を走行しながら測定できる小型装置を使い、2013年から米西海岸で試験を実施。その結果、BMWのX5は米環境保護当局(EPA)が定める規制基準の範囲内だったが、VWのジェッタは基準の15~35倍、パサートは5~20倍ものNOxをまき散らしていることが判明した。