一般的には、こうした場所の朝は自動車が忙しく出入りしていて、活気あふれる情景が繰り広げられるが、ここベネチアでは今日も静かに朝が始まる。昔からきっと人の歩調と同じリズムで時を刻んできたのだろう。
路地から路地へと迷路をたどりながら歩くとサン・バルナバ広場に着いた。昼も1時過ぎになっていたので広場に面したバールでよく冷えた白ワインに蒸したムール貝でランチにした。
この広場は映画「旅情」ゆかりの場所だという。そういわれて見ればなんとなく風情がある。昼下がりのせいか人はまばらにしかいない。
広場のはずれで絵を売っている紳士は白い帽子に白いスーツだ。そこにくつろぐワンちゃん。
まさに優雅でゆったりとしたベネチア時間そのものだ。