米電気自動車メーカーのテスラ・モーターズの主力セダン「モデルS」=2015年10月14日、米カリフォルニア州パロアルト(ロイター)【拡大】
国内外の自動車メーカーが開発を競っている、ドライバーがハンドル操作しなくても走行できる「自動運転車」について、警察庁は15日、公道実験に関するガイドラインの作成や事故時の責任など法律上の課題を検討する考えを明らかにした。月内にも法学者など有識者から意見を聴く機会を設け、検討作業を始める。
公道実験に向け指針作成
道交法や日本も批准する「道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)」は、車両には運転を制御できるドライバーが乗っていることを前提としている。自動運転車の実用化が近い将来実現するのを前に、日本や欧米では法令の見直しの必要性を訴える声が出ている。
メーカーは既に高速道路などでの走行実験を始めているが、今後は隊列走行など多様な実験が見込まれる。警察庁は道交法などの内容と照らし合わせながら、安全に実験できるようガイドラインを作成する方針。
政府は、自動運転について、ドライバーを一切必要とせず、ハンドルもない「完全自動運転」から、加速やブレーキなどの一部機能を自動に任せる「安全運転支援」まで4段階に分けている。居眠りなど人為的なミスによる事故防止や渋滞緩和に期待が集まる一方、課題も少なくない。