絶品だしの土瓶蒸し
土瓶蒸しの具材はユリ根、銀杏、シイタケ、三つ葉、そしてズワイガニ。カツオ節ならぬマグロ節をベースにしただしに沈んでいるが、それらを小鉢に取り出し徳島産のスダチを絞って口に含む。
だしは京風の薄味だが、そこにズワイガニのエキスもしみだし、その味わいは何とも絶品で誰もが飲み尽くしたくなるはずだ。
煮物は編み笠をイメージした献立。京野菜の聖護院カブラに鴨のミンチ肉を挟んで炊いた。その“編み笠カブラ”には、ニンジンでつくった赤いひもがかけられリアルさを演出。卵黄やバターを使った黄色い餡(あん)を絡めて味わうと独特の味覚が口の中に広がる。イチョウの葉の形をしたナンキンや生麩が添えられ、季節感を伝えてくれる。
焼き物は「若狭グジ芝焼き」。グジとは甘鯛のことで秋には脂が乗っているという。薄口しょうゆとみりんなどをかけながら約10分間強火で焼き上品な味覚を提供するが、それだけでは終わらずさらに一工夫。