国内外の自動車メーカーが最新技術を競う東京モーターショーが28日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で29日の開幕に先立って報道関係者に公開された。ハンドルやブレーキを操作しなくても走行できる自動運転車では、日産自動車が人工知能でドライバーの走り方を再現する試作モデルを初めて公開した。燃料電池車や電気自動車(EV)とともに未来の技術を搭載した「次世代カー」の主役になりそうだ。
人工知能が癖再現
東京五輪が開かれる2020年に向けて、トヨタ自動車やホンダも含めて自動運転の開発競争が加速している。28日は各社のトップが記者会見し、出展内容を説明した。
日産のカルロス・ゴーン社長は「(自動運転は)約9割の事故の原因である人的ミスを補い、より安全で楽しい運転を実現できる」と強調。16年以降、日本を皮切りに中国や欧米で、自動運転機能を搭載したモデルを投入する方針を示した。
日産のEVの試作モデル「IDSコンセプト」は、自動運転モードで舞台に登場。自動運転時に人工知能が普段のドライバーの走り方や癖を再現することで安心して乗れるようにした。大型の蓄電池を載せ、走行距離は600キロ程度に達する。自動運転車では、三菱自動車もスポーツタイプ多目的車(SUV)の試作モデルを展示。