「上海日本人学校高等部」の生徒たち。小中学部に隣接するマンションの一部を間借りした“校舎”で正式な看板もないが、124人が元気に学んでいる=2015年10月23日、中国・上海市(河崎真澄撮影)【拡大】
とはいえ日本人学校は幅広く在留邦人の子弟を受け入れるのが原則で、高等部だからといって日本の進学校のような厳しい入試があるわけでもない。玉野井校長は「学力は偏差値70を超えるレベルから40までさまざま。両親の一方が外国人など多文化の背景を持つ生徒も少なくない。バラエティーに富んだ生徒の存在が財産だ」と話す。
むしろ生徒たちは中国という難しい生活環境にもまれて暮らす中、粘り強さやしたたかさを学んできたのかもしれない。例えば、中国全土で反日デモが吹き荒れた12年秋、高等部の生徒は教員や保護者の心配をよそに、計画してきた日中文化交流イベントで地元校との交渉を続けて、予定通り実行した。
授業は毎日8時間目まで。放課後や週末も18人の教員が手弁当できめ細かく指導する。中国語は必修。生徒自らがテーマを見つけて英語や中国語で論文を書く「探究」という大学のゼミに似たカリキュラムもある。
生徒から「ノボリン」と呼ばれて慕われている登り山和希(かずき)教諭は「どんな国際情勢にあっても(将来的に)中国と関わり続ける新しい価値観を持ったグローバル人材を一人でも多く育てたい」と目を輝かせた。