「テニスの王子様」3rdシーズン。青学(せいがく)vs聖ルドルフ。初演から15年以上となる定番の一つで、若手俳優の登竜門的な作品になっている=2015年9月4日(提供写真)。(C)許斐剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト。(C)許斐剛/集英社・テニミュ製作委員会【拡大】
≪松田誠・日本2.5次元ミュージカル協会代表理事≫
演劇制作を行っていて多くの人に舞台を見てほしいと2.5次元ミュージカルに至った。可能性の大きい分野なので、協会を立ち上げた。
原作をそのまま舞台に乗せても感動は味わえず、上手な「演劇的変換」が重要。例えば「弱虫ペダル」は自転車部の話だが、舞台に車輪は登場しない。ハンドルだけで人間のエネルギーのぶつかり合いを表現した。舞台は観客の想像力を膨らませて簡略化していく芸術。虚構のファンタジーの具現化には向いている。
日本の演劇は主義主張の表現に重きを置くことから始まった側面があり、欧米のようにエンターテインメントとしての舞台の歴史が浅い。日本独自の文化でもあるアニメ・マンガは海外で日本よりリスペクトされており、2.5次元も掘り起こす余地は大きい。