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【アメリカを読む】オバマ政権 元の「SDR」入り渋々容認 (3/4ページ)

2015.12.8 09:30

11月30日、首都パリで開幕した国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の会場で会談し、握手するバラク・オバマ米大統領(左)と中国の習近平国家主席。同じ日に人民元のSDR(特別引き出し権)入りが発表されたが、決定を容認した米国の本意は100%支持ではなかった=2015年、フランス(AP)

11月30日、首都パリで開幕した国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の会場で会談し、握手するバラク・オバマ米大統領(左)と中国の習近平国家主席。同じ日に人民元のSDR(特別引き出し権)入りが発表されたが、決定を容認した米国の本意は100%支持ではなかった=2015年、フランス(AP)【拡大】

 しかしこうした戦略にはジレンマもある。中国が人民元取引の自由化を進めることがはっきりすれば、中国経済が減速している現状では、人民元の先安感から中国からの資本流出が進むリスクがあるからだ。これは中国経済に新たな不安要素が加わることを意味する。

 「大局観失ったIMF」

 実際、米財務省の試算によると、今年1~8月の間、中国からは約5000億ドル(約62兆円)の資本が流出している。中国が8月に輸出促進を狙った事実上の人民元の切り下げに踏み切った際は資本流出が加速したとみられ、中国は7~9月にかけて、人民元買い支えのための大規模な市場介入を行うなど、市場の安定化に躍起になった。

「こうした事態は米国も含めて誰も望んでおらず、IMFは大局観を失っている」

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