スウェーデン北部のリックスグレンセンにあるリゾートホテルを活用した難民の一時収容施設で、子供を寝かしつけるシリア難民の女性。スウェーデンの難民受け入れ許容量は限界を超え、欧州一「難民に優しい国」のレッテルも貼り替えを余儀なくされつつある=2015年12月15日(ロイター)【拡大】
移民局のミカエル・リベンビク氏は米誌ニューズウィークに「収容施設に関して言えばすでに非常事態だ。何とか屋根だけ提供することで手一杯だ。努力はするが、従来のような対応はとてもできない」と話している。
スウェーデンの人口は約980万人に過ぎず、1年で受け入れた15万人という難民数は、人口比ではドイツを上回り欧州一だ。この比率は、神奈川県と隣接する東京都大田区(合計人口約980万人)に15万人の難民が流入したと想定したケースに等しく、いかに大量であるかが分かる。
スウェーデンは昨年12月から、入国する難民数の制限を目的に国境管理や難民申請者への対応を厳しくし、新たな申請者は一時的な滞在許可しか与えられず、家族の呼び寄せも難しくなった。ステファン・ロベーン首相(58)は「多くの難民を受け入れることができないというのは心苦しいが、今の状況では受け入れ持続は不可能だ」と話している。
人道主義も厳しい現実には勝てない。(SANKEI EXPRESS)