米東部ニューハンプシャー州ナシュアで行われた政治集会で熱弁をふるうドナルド・トランプ氏。口が隠れた形のカメラ・アングルだが、そのビッグマウスを封じることは何人(なんびと)たりともできない状況だ=昨年12月28日(ロイター)【拡大】
「クリントン氏が嘘」
トランプ氏が先月7日に行った入国禁止発言をめぐっては、大統領選の民主党最有力候補、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が民主党の候補者討論会で「トランプ氏は(イスラム教スンニ派過激組織の)イスラム国(IS)にとって最高の新兵募集員になっている。彼がイスラム教徒を侮辱する映像を使えば、ISはより多くの過激聖戦主義者を集められる」などと批判していた。
トランプ氏は3日、米CBSテレビのインタビューで、ビデオについて「他の人々もビデオには登場しており、私が責めを負うのは理不尽だ。私は言うべきことを言うだけだ。私が問題を指摘すると、よく言ってくれたという声が寄せられる」と述べた。さらに自身のツイッターで、「ビデオを作ったのはISではなくアルシャバーブだ。クリントン氏はISがビデオを作ったなどといいかげんな嘘をついていた」と非難した。
言うほど固まる支持
トランプ氏は歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで、党利党略に走るワシントンの既成政治家たちや社会の現状に不満を募らせる白人低所得者層の広範な支持を取り込んでいる。もともと現状に不満を持つ層が高い人気を支えているだけに、政治家として口にしてはならない一線を越えた問題発言を繰り返しても、失言が失速を招くような状況になっていない。本人も得心しているように、むしろ言えば言うほど支持が固まる傾向をみせており、米政治史上前例を見ない選挙戦になっている。