映画監督でもある実父、アンドラーシュ・イェレシュも本作を鑑賞したそうだが、ネメシュ監督に対して特段の感想を述べることはなく、ただ渋い表情を見せただけだったという。「どうやら父は私のことを同業のライバルとは考えているようです。私の思いは違うのですが…」。苦笑いを浮かべジョーク交じりに語ったネメシュ監督は、続けて、本作を見る者にこんな注文を出した。「人類の自殺願望や文明の自殺といった危険な現象に対し、常に危惧し、リスクを念頭に置きながら、人間は生きていかなければならないのです。忘れないでほしい」。1月23日、東京・新宿シネマカリテほかで全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:宮崎瑞穂/SANKEI EXPRESS)
■Lsazlo Nemes 1977年2月18日、ブダペスト生まれ。子供時代と青年時代をパリで過ごした。2003年、ブダペストに戻ると、07年「倫敦から来た男」でタル・ベーラ監督の助監督に。その後、5年の歳月を経て、15年「サウルの息子」(脚本も執筆)を完成。第73回ゴールデングローブ賞では外国語映画賞に輝き、来月の米アカデミー賞で外国語映画賞にノミネート。