W杯ロシア大会のアジア2次予選で、香港と0-0で引き分け、ガックリと肩を落とす中国代表の選手たち(左側)。外国出身者で主力を固めた香港に苦戦したことも、中国代表の外国出身者解禁論の伏線となった=2015年11月17日、香港(ロイター)【拡大】
サッカーの場合、代表入りするにはラグビーとは異なり、原則としてその国の国籍を有していなくてはならない。また、一度ある国の代表に選ばれると、その後は国籍を変えても元の国の代表にしかなれないなど厳格な規定がある。張氏の発言は、外国出身選手の力による代表のてこ入れを意図したのは明白だった。
中国のサッカーは、女子代表は世界的レベルにあるが、男子代表の戦績は全くふがいない。これまでワールドカップに出場できたのは、日本と韓国がアジア予選に出場しなかった2002年の日韓大会だけで、U-23(23歳以下)の代表で競われる五輪も、自国開催(予選免除)だった08年の北京五輪にしか出ていない。卓球、体操、水泳、陸上…などで成果を上げている強化策がサッカーでは奏功していないのが実情だ。
漢民族だけで「夢」達成?
折しもサッカー好きで知られる習近平国家主席(62)は「個人的な夢」として目標を公言。短期目標にW杯(常時)出場、中期目標にW杯自国開催、長期目標にW杯優勝を掲げている。