たけしはスクリーンからにじみ出す俳優・新井の暴力性に魅せられ、かねがね共演の希望すらも口にしており、近年では自ら監督したヤクザ映画「アウトレイジ ビヨンド」(2012年)に起用したのは記憶に新しい。「たけしさんが撮ってきた映画の暴力描写に限らず、僕自身が暴力描写が大好きなので、本当に楽しみですし、光栄です。それにしても、北野組から届いたオファーを断る俳優なんていますか? 僕なんか他の俳優さんから『北野組に参加できるなんてうらやましい』と言われたこともありました。オファーがあったら台本を読む前に『すぐやります』と返事しますよ」。新井は喜びを口にした。
最近は米ハリウッド、ヨーロッパ、韓国…と海外の映画作品の動向にも目を向けるようになり、自らも積極的に出演したいと考えている。「俳優の大先輩である浅野忠信さんや加瀬亮さんは海外で大活躍されていますよね。あこがれがあります。もちろん自分から行動を起こして映画関係者に働きかけるやり方も大事かもしれませんが、僕は『俳優とは基本的に待つのが仕事』と思っているので、機会があればぜひ挑戦してみたいですね」(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)
■あらい・ひろふみ 1979年1月18日、青森県生まれ。2001年「GO」で俳優デビュー。主な出演作は、ビートたけしと共演した04年「血と骨」、14年「愛の渦」「まほろ駅前狂騒曲」「百円の恋」、15年「寄生獣 完結編」「HERO」「バクマン。」「さようなら」、16年「俳優 亀岡拓次」など。