単純だった手口
事件は、容量を気にせずにネットワーク上のサーバーに大量のデータを保存できることから当時急速に普及していたクラウドサービスから情報が流出したため、大きな衝撃を与えた。
これに対し、アップルはアイクラウド自体のセキュリティーが破られたわけではないと否定。セレブたちのパスワードをランダムに推測し大量の不正アクセスを仕掛ける「標的型攻撃」との見方を示していた。また、スマートフォンをハッキングしパスワードを盗み出した可能性も指摘されていた。
ところが、実際にはフィッシングという単純な手法だったことが判明した。発覚当初からネット上に私的な写真を保存していた軽率さを指摘する声があったが、パスワードを不用意に知らせてしまったことも流出につながったわけだ。
ローレンスさんら被害者が「卑劣な性犯罪」と非難し、世界中の女性とネットユーザーを震撼(しんかん)させた事件としては、「軽すぎる罰」となった。
FBIのボーディック氏は改めてこう警告した。
「パスワードの管理の強化に努めるとともに、個人情報を求めるメールは疑ってかかってほしい」(SANKEI EXPRESS)