そんな通常の商店街や繁華街とはカラーが違う街だけに、特有の問題を抱えている。店舗関係者の多くがいうのは、街が一致団結して何かに取り組む、その取り組みによって各店を繁盛させる-というのが根本的に難しいということ。商店街なら店が協力してイベントを開き、客を集めれば、その人たちが店にも立ち寄ってくれるが、水商売の北新地ではそうはいかない。
新地のある店舗経営者はこう本音をもらす。「この街は一国一城の主の集まり。街や地域への貢献より自分の店を繁盛させることを大事に思っている。どこも少なくない資金を投入して店を開業し、水モノといわれる商売を続けていくのに必死で、そんな行事に時間と労力を使っている余裕はない。参加したところで客が来てくれるわけではないしね」
北新地ではこれまで、最寄りのJR東西線の駅名を「北新地」にすることや、電線の地中化や文化銘板の設置を柱とした本通りの美装化を実現。近年も北新地クイーンを選出するなど活性化に向けたさまざまな取り組みを続けている。