しかし別のバーの経営者は言う。「北新地の大きな行事に参加しているのは、老舗クラブのママら有名店の関係者ばかり。そうした人たちは企業など外とのつながりもあるし、街の顔として参加する意義があるけど、毎日汲々(きゅうきゅう)としている私らはちょっと…」。この経営者は以前、こうした行事の役員も務めたが、今は手伝う気はないという。
こうした声に対し、協会の関係者は「協会活動を面倒くさがったり、もうかってないことの言い訳に過ぎない。店が繁盛するかどうかは努力次第。名門クラブなどは確かに老舗の強みがあるが、不景気の中でも客を呼ぶ努力をしている」と話す。
北新地は、固定客を持つ老舗の高級店や最近増えてきた安い店がそれなりにはやり、どちらでもない“中間店”が苦しいといわれる。そんな中で「高級店」と「大衆店」、「繁栄する店」と「客を呼べない店」という二極化が進んでいる。人や店によって、街全体の取り組みや商売に対する考え方に“温度差”があるのは、そうした事情も影響しているかもしれない。