「機動戦士ガンダムIIIめぐりあい宇宙編」(1982年)ポスター原画=(C)創通・サンライズ【拡大】
そして、53年にフリーとなって手掛けたのが、54年放送の機動戦士ガンダムに登場するガンダムやザクなどのモビルスーツ(ロボット兵器)。これらはプラモデルなど商品化されて大ヒットし、それまで日本では認知されていなかったメカニカルデザイナーという職業を確立した。
その後も、「太陽の牙ダグラム」「装甲騎兵ボトムズ」などでミリタリー路線の重厚なロボットをデザインする一方、タイムボカンシリーズでは“かわいい系”のメカも生み出してきた。その斬新で独創的なデザインはアニメの枠を超え、美術界にも大きな影響を与えている。
今回の特別展を企画した兵庫県立美術館学芸員の小林公さん(36)は「大河原さんが生み出した数々のメカデザインは、20世紀の日本で生まれたイメージの中で、おそらく最も重要なものの一つとなるでしょう」と話す。