スズキの湖西工場で生産される軽自動車「ワゴンRスティングレー」。すべて国内で生産される軽は空洞化阻止の切り札だ=静岡県湖西市【拡大】
衝突防止などの安全面も加わり、進化し続ける軽。日産自動車と三菱自動車が共同開発し、6月上旬に発売する新型軽は、ガソリン1リットル当たり29・2キロという高い燃費性能を実現した。
驚くべきは、中心価格帯が120万円程度で、最低価格でも両社の主力小型車を上回ることだ。アイドリングストップや無段変速機(CVT)も採用し、装備も「軽」の域を越えつつある。ホンダが広い室内空間をアピールし、一昨年に発売した「N BOX」も、中心価格帯が140万円に達する。
三菱自が高価格帯の軽を発売するのは、デフレ下でも景気が持ち直しつつあった平成18年の「i(アイ)」以来。業界関係者は「景気回復の訪れを告げるサイン。デフレ脱却にも貢献できる」と期待する。
だが、空洞化阻止の切り札であるはずの軽の海外シフトや高価格路線は、市場の縮小とともに、軽以外の自動車や家電製品などと同じ道をたどるのではないかとの危惧もある。