航空自衛隊創設60周年記念のイベントで、堂々の演技を披露し、集まった約500人の自衛官らを魅了したブルーインパルスJr。この日のために用意した新技「クローバー」と「ビッグハート60th」も披露。左からリーダーの牧隆司空曹長(1番機)、湯口達哉空士長(2番機)、佐藤尚之空士長(3番機)、服部明日美空士長(4番機)=2014年9月24日、東京都新宿区の防衛省儀仗(ぎじょう)広場(鈴木健児撮影)【拡大】
ブルーインパルスJr.は航空祭に花を添える大きな役割を果たしていたが、基地のクラブ活動だったため、復興支援費や公費で修理することができなかった。震災から1カ月ほどたち、基地内が少し落ち着いてから部員らは昼休みや休日など任務の合間に泥を落とし、破損個所を修復するなど地道な作業を続けてきた。
震災前にいた部員も半減し、現在は11人に。まとまって練習する時間はいまだに確保しにくいという。
昨年8月、東松島夏祭りで初めて基地の外で走行。その後も何度か走る機会はあったが、ただ走るだけでアクロバット走行チームの“技”を披露する展示走行には至らなかった。
そんな中、齊藤治和(はるかず)航空幕僚長(58)と面会した際に「航空自衛隊創設60周年記念広報イベント」への参加を直々に依頼されたという。「空幕長から頼む、といわれ武者震いが起こった。防衛省での展示走行など過去に例がなく、身に余る光栄」とリーダーの牧隆司空曹長(43)。