後部座席の乗り心地
短時間だが後部座席にも乗ってみた。身長173センチの私で、頭上にはげんこつ半分程度の余裕しかないが、狭いとは感じなかった。後部ドアも窓が広めに作られており、視覚的な開放感が効いているのだろう。足元もけっして広くはないが、座面が長めで腿のサポートは十分、背もたれも肩まで届いているので、後席の乗員が足を伸ばせるように前席のシート位置を調節さえすれば、4人乗車のロングドライブも大丈夫だろう。欲を言えば、座面がもう少し沈んで体を包むような感じになってくれるといいと思うが、まだ4000キロ程度しか走っていない革シートの新車なので、そこは仕方ないか。
高級車ならではの優越感
外観を見ていこう。実物をじっくりと見たのは今回が初めてだった。街を走っているのは何回も見かけたことがあったけれど、実際に自分が運転するクルマとして改めて見てみると、まったく印象が違うことに我ながら驚いた。写真で見た印象ともだいぶ異なる。好き嫌いは当然あるだろうが、存在感、塊感、主張の強さは誰もが認めることだろう。一言で言うとカッコいい。形がというよりも、佇まいがカッコいい。自分というものをしっかりと持った人間が発するオーラのようなものが、このクルマのデザインにはある。ディテールではフロントフェンダーの膨らみからボディーサイドへ、段のついたトランクリッドからリアフェンダーへと流れる量感がとても色っぽく、肉感的な趣を醸し出している。と同時に、たっぷり厚みのとられたドアパネルが筋肉質であることも主張する。エロティックでマッシブ。シルエットはオーソドックスなセダンながら、いやむしろオーソドックスであるからこそ、これらの凝ったディテールが際立ち、クルマに詳しくない人でも「これは高そうなクルマだ」と一目でわかるようにデザインされているとも言える。すれ違う人が羨望のまなざしを向け、乗せてもらった人がもてなされていると感じ、運転する人がその中心にいるという、高級車でなければ味わえない優越感を喚起させるに十分な外観だと思う。