【試乗インプレ】円・楕円にこだわりまくった意匠 ミニ クーパーS クラブマン(後編) (2/6ページ)

  • コレコレ!イグニッションがトグルスイッチ。これならプッシュスタート式でもテンション上がります。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • ミニらしさの象徴である丸いヘッドライト。特に内装では、あらゆるパーツがこの円(楕円)をモチーフにデザインされている。ミニクーパーSクラブマン
  • 左右フロントフェンダーに、さりげなくクーパーSのエンブレム。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • ロゴは7文字。「B」をど真ん中にしなかった分、ロゴ全体が気持ち左寄りの配置。ミニクーパーSクラブマン
  • リアワイパーも左右仲良く一つずつ。ミニクーパーSクラブマン
  • メッキのドアハンドル。ボディの至るところにメッキパーツが効果的に使われている。ミニクーパーSクラブマン
  • フュエルリッドは当然のように楕円形。ミニクーパーSクラブマン
  • 円と楕円で溢れるデザインの中で最も異質な部分がこの前席ドア前側の角。平らなルーフからカクッっとフロントウインドウに落ちるラインもまたミニの個性。ミニクーパーSクラブマン
  • 前輪ホイールハウス内に籠もった熱を逃がすエアアウトレット。ミニクーパーSクラブマン
  • パーツというパーツが丸い!徹底的に円、楕円にこだわった内装。フィアット500のイタリア流ファンシーさとはまた趣が異なる。ミニクーパーSクラブマン
  • BMW譲りで座面長が調整できるのが嬉しいレザーシート。ミニクーパーSクラブマン
  • 立ち気味のフロントウインドウのおかげで圧迫感がなく、室内幅もたっぷりあってリラックスできる前席。ミニクーパーSクラブマン
  • 後席にもファミリーカーとしても通用するスペースが。たしかに「ミニ」と呼ぶには広すぎるかも。ミニクーパーSクラブマン
  • 後席中央だけ倒すと簡易的な肘掛けにもなる。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • メーターはステアリングコラム直結で、ハンドルをチルトさせると一緒に上下する。いいなぁゴーカートっぽくて。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • ダッシュボード上にヘッドアップディスプレイ。使わないときは格納される。実際の点灯状況は→次フォトへ。ミニクーパーSクラブマン
  • 速度のほか、ナビの情報など、走行状況に応じてマルチに表示される。ミニクーパーSクラブマン
  • 室内灯火類のスイッチ。トグル式でガジェット感満載。自動防眩機能付きバックミラーからの視界は→次フォトへ。ミニクーパーSクラブマン
  • ご覧の通り、バックドアが観音開きになった弊害で、真ん中に邪魔な“柱”が。ミニクーパーSクラブマン
  • ダッシュボードを左右に貫く金属パーツの紋様はツイードの杉綾織りがモチーフ。オリジナルミニの故郷である英国へのさりげないリスペクト。ミニクーパーSクラブマン
  • センターコンソールも、円と楕円のオンパレード。シフトレバーの握りも横から見ると→次フォトへ。ミニクーパーSクラブマン
  • やっぱり楕円。レバー根本のリングが、走行モードの切り替えレバーを兼ねている。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • ここは丸くなくてもいいような気もするが…ミニクーパーSクラブマン
  • 外枠に合わせて、液晶画面の端まで丸くしてあるとは、恐れ入ります。ミニクーパーSクラブマン
  • 肘掛け下のモノ入れは2段式。この下にもう少し深めのスペースがあるが、容量はあまり大きくない。ミニクーパーSクラブマン
  • ペダルまで…もう言わなくてもわかりますね。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • シート調節のボタンレイアウトはBMWに準じたもの。ミニクーパーSクラブマン
  • 誇らしげなスカッフプレートにドアを開ける度ニヤリ。ミニクーパーSクラブマン
  • ルームランプ。ミニクーパーSクラブマン
  • 後席用空調吹き出し口。ミニクーパーSクラブマン
  • バックドアは片側ずつ開けられる。狭いところではちょい開けできるのが便利。ミニクーパーSクラブマン
  • 左右全開しても横幅はほぼそのまま。ミニクーパーSクラブマン
  • 全開時に必要なスペースは跳ね上げ式バックドアと同等だが、片側ずつ開けられるので、狭い場所ではこちらのほうが開け閉めしやすいかも。ミニクーパーSクラブマン
  • 内側には小さなポケット。ミニクーパーSクラブマン
  • 観音開きってなんか新鮮。誰?仏壇みたいって言ってるのは。ミニクーパーSクラブマン
  • 高さはないが、広くて四角く使いやすい荷室。やっぱり「ミニ」じゃない、むしろ「ビッグ」だ。写真は右側後席を倒した状態。ミニクーパーSクラブマン
  • 分割は4:2:4と使い勝手がいい。どの状態でも残ったシートはガタつきなくガッチリ安定している。ミニクーパーSクラブマン
  • フルフラット。段差もなく、ちょっとした業務用にも使えそうな広さ。ミニクーパーSクラブマン
  • 荷室左右に小物の入るポケット。ミニクーパーSクラブマン
  • 荷掛フック。ミニクーパーSクラブマン
  • ちょっと意外だった床下収納。蓋は2分割。ミニクーパーSクラブマン
  • 左右にストッパーがあって、蓋を開けた状態のまま使える。要は床下収納兼荷室高さ増量なのだ。面白い発想。ミニクーパーSクラブマン
  • 並べてビックリ。なんと現行VWゴルフとほぼ同じスリーサイズだった。横幅は同じ、後ろの柵の横線で測ると全高もほぼ同じ。ミニクーパーSクラブマン
  • 直線基調と曲線基調というテイストの違いはあるがサイズ感は同格。ミニクーパーSクラブマン
  • リアオーバーハングはミニが少し長いが…ミニクーパーSクラブマン
  • その分フロントオーバーハングが短いので全長も同等。ゴルフも初代と比べてすいぶん大きくなっているが、ミニの膨張ぶりに改めて驚かされた。ミニクーパーSクラブマン
  • 穏やかなドライブ日和。晴天の奥多摩湖で。ミニクーパーSクラブマン
  • ボンネットを開けても丸いヘッドライトがミニらしさを主張。ミニクーパーSクラブマン
  • 2リッター4気筒ターボエンジンは、少し持て余すほどパワフル。サウンドもBMW仕込みで気分が上がる。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • ヘッドライトの裏側はこんな感じ。ミニクーパーSクラブマン
  • ボンネットにも“顔”がありました。ミニクーパーSクラブマン
  • 珍しいので表からも。ミニクーパーSクラブマン
  • 「大きくなりすぎて、もはやミニではない」との声もあるが、この“童顔”ぶりはやはりミニならでは。ミニクーパーSクラブマン
  • ミニクーパーSクラブマン
  • 真横から見ると、前後にストレッチされたボディの長さがよく分かる。後席ドアも十分に大きい。ミニクーパーSクラブマン
  • 最大の特徴である観音開きのバックドア。ミニクーパーSクラブマン
  • 後ろにも“顔”。マフラーは左右2本出し。ミニクーパーSクラブマン
  • 225/40R18と低扁平率のタイヤは前後共通。黒メタリックのホイール、黒い樹脂製のホイールアーチと相まって、実際のサイズ以上に大きなタイヤを履いているように見える。ミニクーパーSクラブマン


 それと、地面に対して水平に見えるルーフ。その、ホットプレートの蓋をかぶせたような、古いワーゲンバスにも似た独特の意匠を際立たせているのはサイドウインドウ前上部の形状だ。写真で一目瞭然、ここがはっきりと「角」になっている。こんな窓を持ったクルマは昨今ほとんど見ない。この角は同時に、切り立ったフロントウインドウを強調する役割も持っている。

 加えて、フロントウインドウの湾曲が強めなのも、他のクルマと一線を画すレトロな雰囲気を醸し出す。

 これらデザイン上の特徴は、派生車種の増えたBMWのミニシリーズのほとんどの車種に共通しており、どれを見ても、ミニっぽさを損なわず、それでいて各車種の個性もしっかり感じられる形になっている。

 そんなBMWミニシリーズの中にあって、クラブマンの特徴は、ホイールベースを延ばした長めの全長と、観音開きのバックドアの2点。全長が長くなったことで、やんちゃなイメージのあるミニに落ち着いた大人の雰囲気がプラスされ、前回書いたように走りの穏やかさにもつながっている。観音開きのバックドアは、ただでさえレトロ感溢れる外観をさらに古風に見せており、ひょっとすると、現行のミニシリーズの中で最もオリジナルミニの風情を体現しているモデルかもしれない。

 試乗車はメルティングシルバーというガンメタリック風の渋いボディカラーだったが、クラブマンにはこういう落ち着いた色がよく似合う。個人的には、メーカーがイメージカラーとして設定している、えんじ色系統のピュアバーガンディがクルマの持つイメージに一番マッチしていると感じた。

 アクセルペダルまで丸い!徹底された円のモチーフ

 内装に目を移していくと、キャビン内のあらゆるパーツが可能な限り円、または楕円形で造形されていることに気付く。この円形へのこだわりは徹底されていて、空調吹き出し口や各種プッシュボタン類、シフトレバーの握りなどに留まらず、液晶ディスプレイの外枠やドアノブ、アクセルペダルに至るまで、そこまでやるかと呆れるほどに、どこもかしこも丸い。さすがに液晶画面自体は四角だろうと思ったが、よく見ると、左右が円形にトリミングされている!

ここまでくると完全に機能性を通り越して、デザインのためのデザインに