【試乗インプレ】1.6リッター最強の270馬力! プジョー・308 GTi(前編) (2/5ページ)

  • 東六甲展望台からの大阪の夜景をバックに。プジョー・308GTi
  • 東六甲展望台からの日中の眺め。中央遠方にあべのハルカスが見える。プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • 目ヂカラはトレードマークのライオン並?プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • シルエットは標準モデルとそう変わらない。プジョー・308GTi
  • 左右2本出しのエギゾーストに極太のタイヤ。後ろからの見た目はかなりスポーティーだ。プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • チェッカーフラッグをモチーフにしたデザインの専用グリル。プジョー・308GTi
  • フロントフェンダーには誇らしげに立体ロゴ。プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • ドアノブの内側にタッチすると解錠、外側にタッチすると施錠される。プジョー・308GTi
  • バックドアにもロゴ。プジョー・308GTi
  • リアコンビランプにボディが食い込む意匠は最近のプジョーのお約束。プジョー・308GTi
  • オーソドックスなようで、結構複雑なラインを描いている。プジョー・308GTi
  • 迫力十分のデュアルエギゾースト。プジョー・308GTi
  • タイヤサイズは前後ともに235/3519インチと極太。特に前輪は、大径ブレーキディスクと赤いキャリパーがスポーツモデルであることを主張する。プジョー・308GTi
  • 後輪はタイヤサイズは同じだが、ディスクは思いのほか小さめ。プジョー・308GTi
  • これが現行市販FF車最強エンジン。ヘッドカバーにはプジョー・スポールの文字。プジョー・308GTi
  • サイドスカートは控えめ。乗降の妨げにはならない。プジョー・308GTi


新車で買える量産FFの中で最強のエンジン

 すっかり前置きが長くなったが、そんな欧州Cセグの底力をこれでもかと見せつけられたのが今回試乗した308 GTiだった。

 GTiは、ベース車両の308にプジョーのピュアスポーツモデル、RCZ R譲りのターボ付き1.6リッター直列4気筒エンジンを6速のマニュアルミッションと組み合わせ、専用にチューニングしたサスペンションと扁平率35の極太タイヤを履かせたホットハッチだ。パワーとトルクは270馬力、33.7kgf・mと、とても1.6リッターエンジンとは思えないスペック。

 市販されている現行の前輪駆動車(FF)の中ではすでに完売したホンダ・シビック タイプRの310馬力に次ぐ性能である。つまり、いま新車で買える量産FFの中で最高出力のエンジンなのだ。この下には、いずれも265馬力を発生するエンジンを搭載したルノー・メガーヌ RSとVW・ゴルフ GTI クラブスポートが存在するが、この2台は一回り大きい2リッターエンジン。1.7リッターのエンジンを積むライバル、240馬力のアルファロメオ・ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデとは30馬力もの差をつけており、気筒当たり、あるいはリッターあたりの馬力でも圧倒的な数値と言える。では、その走りから見ていこう。

パワー=正義を実感 扱いやすく、普段使いが楽しい

 マニュアルミッションながら、低回転からトルクがたっぷりあり、ごく軽くアクセルを踏んでスッとクラッチをつないでやれば、難なく走り出す。クラッチがつながるタイミングも程良く、思いがけず空吹かしになったり、突然つながってギクシャクしたりするようなこともない。これならエンストの心配はないだろう。

 ドライブモードはノーマルとスポール(スポートのフランス語読み)の2段階。プッシュスタートボタン横の「SPORT」ボタン長押しで、メーター表示が真っ赤に変わり、アクセルレスポンスとターボの過給圧が上がって、トルクも増幅されるが、街乗りならノーマルモードで十分以上。意識して少し強めにアクセルを踏むだけで、バックミラーに映った後続車がみるみる小さくなっていく。まったく気負うことなく車列の流れをリードできる。1.3トンの車重を単に動かすだけなら、270馬力、33.7kgf・mは明らかにオーバースペックだけれど、結果的に街乗りでの加速・巡行時の余裕を生んでもいるわけで、やはり「パワーは正義だ」と思わされる。

MT車を身近にしてくれるのはパーキングブレーキだった