【試乗インプレ】フランスの優等生は日本語が苦手? プジョー・308 GTi(後編) (1/5ページ)

  • 東六甲展望台からの日中の眺め。中央遠方にあべのハルカスが見える。プジョー・308GTi
  • これが現行市販FF車最強エンジン。ヘッドカバーにはプジョー・スポールの文字。プジョー・308GTi
  • エンジンルームは搭載機器の密度が高く、路面が見えるような隙間がない。プジョー・308GTi
  • 左ハンドル!GTiには右ハンドル仕様がない。プジョー・308GTi
  • ハンドルは小径のD型楕円。山坂道での素早い切り返しにぴったり。プジョー・308GTi
  • 赤いステッチが入りスポーティながら、シックにも感じられる質感の高いドア内張。プジョー・308GTi
  • ハンドルだけでなく、メーター以下、各パーツが小ぶり。シャープな造形でほかのどのメーカーとも違う雰囲気。プジョー・308GTi
  • 目立たないが、メーターは自発光式。右側の回転計が逆時計回りなのが面白い。プジョー・308GTi
  • スポーツモードでは赤い照明に変わる。プジョー・308GTi
  • 空調、オーディオ、車両設定など、運転関連以外のほとんどの操作はこの液晶タッチパネルに集約されている。プジョー・308GTi
  • スイッチやボタン類が少なく、すっきりしたデザインのセンターコンソール。プジョー・308GTi
  • 金属素材の肌触りが心地いいシフトレバー。剛性感高いフィーリングで、スポーツ心をくすぐられる。プジョー・308GTi
  • スタートボタン右側の「SPORT」ボタンを長押しすると、ランプが点灯(右側写真)、ドライブモードが切り替わる。プジョー・308GTi
  • センターコンソールのシャッター付きカップホルダーは1つだけだが、蓋付き容器ならドアポケットにも収納可能。プジョー・308GTi
  • 左ハンドルでもペダルの配置は万国共通です。プジョー・308GTi
  • ウインカーレバー(上)と、クルーズコントロール用のスイッチ(下)。プジョー・308GTi
  • 天井のルームランプまわり。シートベルト警告もここに。プジョー・308GTi
  • 助手席側ダッシュボードには赤いステッチ。一瞬革張り?と思うほど質感が上がるうまい演出。プジョー・308GTi
  • ゆったり座れるのに走らせるとサポートしっかりの優れものバケットシート。プジョー・308GTi
  • クッションが肉厚で座り心地のいい後席。もうちょっと背もたれが寝ていたら最高だった。プジョー・308GTi
  • 3ナンバーなので横幅はゆったり。足下の余裕はまずまず。大人4人乗車なら窮屈に感じることはないだろう。後席窓は前後に大きく視覚的な圧迫感が少ない。プジョー・308GTi
  • バックドア開口部は幅、高さともに積み下ろししやすいサイズ。プジョー・308GTi
  • でっぱりが少なく、使いやすい荷室。床下にはスペアタイヤを収納。プジョー・308GTi
  • 後席は左6:右4の分割可倒式。プジョー・308GTi
  • シートはワンアクションで倒せるが、荷室との間に段差が残る。プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • シルエットは標準モデルとそう変わらない。プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • 目ヂカラはトレードマークのライオン並?プジョー・308GTi
  • バックドアにもロゴ。プジョー・308GTi
  • タイヤサイズは前後ともに235/3519インチと極太。特に前輪は、大径ブレーキディスクと赤いキャリパーがスポーツモデルであることを主張する。プジョー・308GTi
  • 東六甲展望台は、兵庫県・芦有ドライブウェイの途中にある絶景スポット。プジョー・308GTi
  • 東六甲展望台からの大阪の夜景をバックに。プジョー・308GTi


 現行市販FF最強エンジンを積んだプジョー・308の走りに迫った前回に引き続き、今回は内外装、使い勝手について掘り下げる。(文と写真:Web編集室 小島純一)

猫の皮をかぶった獅子

 全体的なシルエットは、標準モデルと大きく変わらない。専用装備は19インチの大径アルミホイール、左右2本出しのマフラー、フロントグリルを縁取る赤いライン、控えめなサイズのサイドスカートにフロントフェンダーとバックドアに光る「GTi」エンブレム…と機能性パーツや加飾も必要最小限に留められている。クルマに詳しくない人には、ごく普通のハッチバックにしか見えないだろう。

 スポーツモデルの存在感を示す派手めのアピールが欲しいユーザーには物足りないかも知れないが、足代わりにもなるクルマだから、このくらいのほうが気恥ずかしくなく普段使いできていいとも思う。あるいは「羊の皮をかぶった狼」的なポテンシャルを秘めた奥ゆかしさに所有欲をくすぐられるユーザーもいるかもしれない。いや、ライオンをエンブレムに戴くプジョーだから「猫の皮をかぶった獅子」ということになるのかな。

 アグレッシブな見た目を求めるなら、車体の前後でダークレッドと黒に塗り分けたクープフラッシュというオプションカラーを選ぶといい。コントラストの強い大胆なカラーリングは、街の視線を釘付けにするはずだ。今回お借りした試乗車はマグネティックブルーという、ほんの少し紫が入ったように見える深みのあるカラー。前回の記事でトップに使った写真でもわかるとおり、夜の場面が似合う大人の色である。

 並走するクルマからの眺めでもっとも主張が強いのは後ろ姿だ。真後ろから見ると、そのオーソドックスなハッチバックスタイルの足もとにチラつく横幅235ミリの極太タイヤから、ただならぬ雰囲気が漂う。

「目立つのは恥ずかしいけれど、輸入車には乗ってみたい」人にピッタリ