【試乗インプレ】フランスの優等生は日本語が苦手? プジョー・308 GTi(後編) (4/5ページ)

  • 東六甲展望台からの日中の眺め。中央遠方にあべのハルカスが見える。プジョー・308GTi
  • これが現行市販FF車最強エンジン。ヘッドカバーにはプジョー・スポールの文字。プジョー・308GTi
  • エンジンルームは搭載機器の密度が高く、路面が見えるような隙間がない。プジョー・308GTi
  • 左ハンドル!GTiには右ハンドル仕様がない。プジョー・308GTi
  • ハンドルは小径のD型楕円。山坂道での素早い切り返しにぴったり。プジョー・308GTi
  • 赤いステッチが入りスポーティながら、シックにも感じられる質感の高いドア内張。プジョー・308GTi
  • ハンドルだけでなく、メーター以下、各パーツが小ぶり。シャープな造形でほかのどのメーカーとも違う雰囲気。プジョー・308GTi
  • 目立たないが、メーターは自発光式。右側の回転計が逆時計回りなのが面白い。プジョー・308GTi
  • スポーツモードでは赤い照明に変わる。プジョー・308GTi
  • 空調、オーディオ、車両設定など、運転関連以外のほとんどの操作はこの液晶タッチパネルに集約されている。プジョー・308GTi
  • スイッチやボタン類が少なく、すっきりしたデザインのセンターコンソール。プジョー・308GTi
  • 金属素材の肌触りが心地いいシフトレバー。剛性感高いフィーリングで、スポーツ心をくすぐられる。プジョー・308GTi
  • スタートボタン右側の「SPORT」ボタンを長押しすると、ランプが点灯(右側写真)、ドライブモードが切り替わる。プジョー・308GTi
  • センターコンソールのシャッター付きカップホルダーは1つだけだが、蓋付き容器ならドアポケットにも収納可能。プジョー・308GTi
  • 左ハンドルでもペダルの配置は万国共通です。プジョー・308GTi
  • ウインカーレバー(上)と、クルーズコントロール用のスイッチ(下)。プジョー・308GTi
  • 天井のルームランプまわり。シートベルト警告もここに。プジョー・308GTi
  • 助手席側ダッシュボードには赤いステッチ。一瞬革張り?と思うほど質感が上がるうまい演出。プジョー・308GTi
  • ゆったり座れるのに走らせるとサポートしっかりの優れものバケットシート。プジョー・308GTi
  • クッションが肉厚で座り心地のいい後席。もうちょっと背もたれが寝ていたら最高だった。プジョー・308GTi
  • 3ナンバーなので横幅はゆったり。足下の余裕はまずまず。大人4人乗車なら窮屈に感じることはないだろう。後席窓は前後に大きく視覚的な圧迫感が少ない。プジョー・308GTi
  • バックドア開口部は幅、高さともに積み下ろししやすいサイズ。プジョー・308GTi
  • でっぱりが少なく、使いやすい荷室。床下にはスペアタイヤを収納。プジョー・308GTi
  • 後席は左6:右4の分割可倒式。プジョー・308GTi
  • シートはワンアクションで倒せるが、荷室との間に段差が残る。プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • シルエットは標準モデルとそう変わらない。プジョー・308GTi
  • プジョー・308GTi
  • 目ヂカラはトレードマークのライオン並?プジョー・308GTi
  • バックドアにもロゴ。プジョー・308GTi
  • タイヤサイズは前後ともに235/3519インチと極太。特に前輪は、大径ブレーキディスクと赤いキャリパーがスポーツモデルであることを主張する。プジョー・308GTi
  • 東六甲展望台は、兵庫県・芦有ドライブウェイの途中にある絶景スポット。プジョー・308GTi
  • 東六甲展望台からの大阪の夜景をバックに。プジョー・308GTi


後席でも圧迫感少ない室内空間

 前席は素晴らしい出来のシートと3ナンバーサイズの余裕の横幅で広くて快適。しかも、小径ハンドルが膝回りや視覚的な窮屈さも軽減してくれて一石二鳥である。

 後席は大人2人が余裕をもって座れる足元スペースがある。前後に長いリアウインドウが顔の真横まで視界を開いてくれているおかげで圧迫感が少ない。リアウインドウが前後に長いということは後席ドア開口部の上側も広くなるわけで、乗り込む時に頭をあまりかがめる必要がないというメリットもある。

 後席シートは肉厚もあり硬さもほどよいので上々の座り心地。少し背もたれの角度が立ち気味に感じられたが、長距離ドライブではむしろこのほうが体全体の疲れは少ないかもしれない。

 荷室はフラット、後席は右4:左6の割合で分割して倒し荷室を広げられる。全部倒した時のスペースや倒した後席が真っ平らにならないのは他の競合車種と同等だが、段差ができてしまうのはややマイナスポイント。

ニホンゴ、デキマセ~ン

 最大の難点は、インフォテインメントシステム。フランス本国仕様のままなので、欧州の言語にしか対応しておらず、後付けの日本製ナビを装着しない状態では日本語表示ができないのだ。仮に日本製ナビを装着した場合でも、車両情報など、クルマ本体に内蔵されたコンピュータ由来の情報表示は日本語に対応しない。例えば、パーキングブレーキ動作時はON、OFFがメーターパネル中央のサブ液晶画面に表示されるが、これは日本語にはならない。

 ただ、さほど難しい単語が使われているわけではないし、定型文言が表示されるだけなので、多少英語(またはフランス語やドイツ語、イタリア語など)が理解できるなら、慣れで克服できるだろう。

本国仕様の左ハンドルに四苦八苦?

 欧州仕様と言えば、写真を見ておわかりのとおり今回の試乗車は左ハンドルだった。これはたまたまそうだったというわけではなく、GTiは左ハンドルしか設定がないのである。

 私自身左ハンドルのクルマを運転するのは10年ぶりくらいで、慣れるまでに少々時間がかかった。一番の問題は車両感覚。右ハンドルのクルマに慣れているので、ついつい車線の右寄りを走ってしまう。自分の体が車線内のどのあたりにあれば車体が車線中央に収まるか、という感覚が身についているからだろう。いつものように自分の体を車線右側に持ってこようとすると、左ハンドルだから当然車体は思いっきり車線右側に寄ってしまう。気がつくと、車線から右に少しはみ出して走っていて慌てて修正…ということが何度かあった。

左ハンドルの笑い話あれこれ