地面が近い!
居住性はフロントシートとリヤシートで評価が分かれるだろう。車体をサイドから見ると一目瞭然なのだが、ずんぐりとした先代とは違い、新型プリウスは前席を頂点にルーフが後端に向けて鋭角に落ちる“スリム三角形ボディ”のため、後席のヘッドクリアランスにはそれほど余裕がない。逆にレッグスペースはゆとりがある。横幅は後席2人乗車でアームレストを下ろしても広々。3人乗車(=前後で5人)でもお互いに「暑苦しい!」となることはなさそうだ。ただし、後席真ん中の座り心地は両サイドと比較して劣るのは言うまでもない。フル乗車の場合はジャンケンで負けた人に座ってもらうしかない。
ラゲッジルームの容量は2WDモデルで502リットル。後席肩口のレバーを引けば簡単にシートを倒すこともできる。6:4分割可倒式なので使い勝手は良いだろう。ゴルフバッグなどの大きな荷物でも、大抵のモノは問題なく積める。
TNGA技術を用いた新プラットフォームの特性上、シートポジションはけっこう低い。降車するときはまるでスポーツクーペから降りるように、地面が近く感じる。動作として「イスから降りる」というよりは、「座椅子から立ち上がる」といった感じ。まあ、あくまで極端なたとえ方なので、足腰に負担がかかるような煩わしさは一切ないはず。ヒップポイントが低くなったことで、「年配の人はむしろ乗り降りが楽になったんじゃないか」といった意見も聞かれた。
運転中にUFOキャッチャーを楽しむ!?
インパネシフトは好みが分かれそう。細いレバーを親指、人差し指、中指の3本でつまむ感覚が、まるでUFOキャッチャーの操作レバーのよう。操作性についてもエンゲージした時の節度感が緩いので、「いまのでちゃんとシフト選択ができたのかな?」と不安になってしまう。自分はガッツリと「握りたい派」だ。
先進安全機能は充実している。衝突回避システム、車線逸脱警告、レーダークルーズコントロールなど、あると嬉しいセーフティー機能がしっかりと備わっている。完全に機械に頼るのは危険だが、こうしたプラスアルファがあるだけでも安心感が違う。