【試乗インプレ】こんな人にお勧めしたいディーゼルSUV ボルボ「V60 クロスカントリー」(後編) (3/6ページ)

  • 湖畔から県道へ続く斜面を駆け上がるボルボ「V60 クロスカントリー」。分かりづらいかもしれませんが、結構傾斜はキツいです
  • 県道から湖畔へ向かうボルボ「V60 クロスカントリー」。所々、デコボコが激しいです
  • V60 クロスカントリーなら、こんな所にも入れちゃう。ノーマルのV60なら入り口でフロントアンダーをぶつけるはず
  • V60 クロスカントリーなら、こんな所にも入れちゃう。ノーマルのV60なら入り口でフロントアンダーをぶつけるはず
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • 車高は余裕の200ミリ。ボディ下部を跳ね石などから守るスキッドプレートを装備している
  • 県道から湖畔へ下るボルボ「V60 クロスカントリー」。分かりづらいかもしれませんが、結構な傾斜です
  • 県道から湖畔へ下るボルボ「V60 クロスカントリー」。分かりづらいかもしれませんが、なかなかの傾斜です
  • 湖畔から県道へ続く斜面を下るボルボ「V60 クロスカントリー」。分かりづらいかもしれませんが、結構傾斜はキツいです
  • 県道から湖畔へ向かうボルボ「V60 クロスカントリー」
  • これならアウトドアがもっと楽しくなる
  • オフロードをものともせず。さすがクロスオーバーSUV。V60だったらここまで余裕はないはず
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」と一緒ならアウトドアがもっと楽しくなるはず
  • 未舗装でもへっちゃら。さすがクロスオーバーSUV。V60だったらここまで余裕はないはず
  • 未舗装でもへっちゃら。さすがクロスオーバーSUV。V60だったらここまで余裕はないはず
  • 未舗装でもへっちゃら。さすがクロスオーバーSUV。V60だったらここまで余裕はないはず
  • 未舗装でもへっちゃら。さすがクロスオーバーSUV。V60だったらここまで余裕はないはず
  • 未舗装でもへっちゃら。さすがクロスオーバーSUV。V60だったらここまで余裕はないはず
  • 未舗装でもへっちゃら。さすがクロスオーバーSUV。V60だったらここまで余裕はないはず
  • 車高が200ミリもあれば大抵の場所は余裕
  • 車高が200ミリもあれば大抵の場所は余裕
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • 「ルーフから顔を出して手を振ってみて」と促されるままにやってみましたが…これがけっこう恥ずかしい
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • ボルボ「V60 クロスカントリー」
  • 湖畔から県道へ続く斜面を駆け上がるボルボ「V60 クロスカントリー」。分かりづらいかもしれませんが、結構傾斜はキツいです
  • 湖畔から県道へ続く斜面を上がるボルボ「V60 クロスカントリー」。分かりづらいかもしれませんが、結構傾斜はキツいです
  • 広報車はオプションの18インチタイヤを装着(235/50R18)
  • ホイールハウスを縁取るフェンダーエクステンション
  • 2リッターのディーゼルエンジンを搭載
  • 2リッターのディーゼルエンジンを搭載
  • 後席を倒せばフルフラット状態に。大人2人が横になれる広さ
  • 後席を倒さなくても広々とした荷室。三段脚立の縦置きも余裕
  • ルーフを閉じた状態
  • シェードカバーを開けると開放感が増す
  • ルーフをポップアップさせた状態
  • 白い空しか見えないので分かりづらいですが、ルーフを完全に開けた状態
  • 前席のドリンクホルダー
  • 前席のアームレスト。その下には収納ボックス
  • リヤの視界はこんな感じ。後端が下がっているので、リヤウインドーにあまり高さはない
  • 後席のアームレストは横幅があるので、隣の人に遠慮することなく使える
  • ピラーに設置した後席のエアコン吹き出し口とドア周り
  • ピラーに設置した後席のエアコン吹き出し口
  • シートベルトのサインはルームミラーの上に配置。ちなみに今では当たり前の3点式シートベルトを開発したのがボルボで、すべてのドライバーの安全のために特許を無償公開した
  • シンプルな美しさと使いやすさが魅力のインテリア
  • インテリア
  • クルーズコントロールの起動ボタン。「+/-」で上限速度を、「矢印(⇔)」で車間距離を設定する
  • 音声ボタンを使えば、ナビの目的地など話すだけで設定できる。インフォテインメント・システムのほとんどが、このシンプルなジョグダイヤルで操作可能
  • インパネ中央のグラフィックが視覚的にわかりやすくて便利


 相模湖で道路脇の未舗装路に入ってみたが、200ミリの車高に加えてアプローチアングル(クルマを横から見たときに、前輪の接地点とフロントバンパーの最前端部分を直線で結んだラインが作る地面からの角度)が大きいため、道路から一段盛り上がったオフロードに乗り上げる際にフロント下部を地面にこする心配は全くない。ごつごつとした石が落ちていても、車体の腹に当たるようなことは一切なかった。

 富士五湖の湖畔でも、土と砂利が混じったサーフェースで走ってみた。デコボコした箇所もあるが、着座位置が高いので周囲の状況を把握しやすい。水辺は倒木や礫石(れきいし)といった障害物がその辺に転がっているが、ボトムが高いので引っかけることはほとんどないだろう。車高が200ミリもあれば、険しい山にでも入らない限り安心して走ることができる。ちなみにこれまで試乗インプレで紹介してきたSUVの最低地上高を見てみると、BMW X1=185ミリ、ベンツGLC=180ミリ、三菱アウトランダーPHEV=190ミリ、レクサスRX=200ミリといった感じ。こう比較してみると、いかにV60 クロスカントリーの車高が見た目以上に高いかが分かる。オフロード走破性の高さを決める要素はいくつかあるが、その中でも車高の高さはとても強力な武器となる。

 低速域で生きてくる極太トルク

 湖畔から県道に上がる土の斜面は、クルマの出入りが多いこともあって轍ができるなどかなり荒れていたが、ここで威力を発揮したのが強力トルクを誇るディーゼルエンジンだった。オフロードは地面のぬかるみや凹凸、障害物や傾斜があるため、速度を10~20キロ程度まで落として走る場面が多い。エンジン回転数が落ちると出力が低下するため、トルクが小さいと悪路でアクセルを踏んでもなかなか進んでくれない。だからといって一気に踏み込めば、急発進してヒヤッと…なんてことになりかねない。今回の斜面も、上がった先の県道が下から見えないので、突然発進すると非常に危険。その点、ボルボのディーゼルは低回転域のトルクが太いので、タイヤがくぼみや石につかえても、ちょっとアクセルを踏むだけで軽々と障害物を乗り越える力がある。低速度域におけるドライバーのアクセル感覚と、その時に予測したクルマの動きにズレがないことは、オフロードを安全に気持ちよく走るうえで非常に大切なことだ。

 V60 クロスカントリーで一つ残念なのは、ディーゼル車にAWD(全輪駆動システム)の設定がないことだ。車高の高さはもちろん、四輪駆動も走破性を飛躍的に高める絶対的アイテム。試乗車はFF(前輪駆動)ということもあり、グラベルでやや滑る時があった。普段から筆者が乗り慣れているAWDのレガシィ アウトバックは、悪路でも四輪のトルクとグリップが効いていて信頼感がとても高い。今後、V60 クロスカントリーのディーゼル車にも四駆の設定が追加されることをぜひ期待したい。

ディーゼルはコスパも「イイね!」