後席はレバーを引くだけで簡単に倒せるので、荷室の拡張を素早く簡単に行える。ラゲッジルームはさすがにエステートだけあって広いが、ルーフラインが後端に向けて緩やかに下がるデザインのため荷室の開口部、特に上部がすぼんでやや狭い気がした。とはいえ、荷室自体は広いので実用性は◎。これならキャンプ用具などたくさんの荷物を積めるし、後席をフルフラットに倒せば、大人2人が横になれるスペースもある。
シンプルなインテリア
内装のデザインはかなりシンプル。とくに高級感があるわけでもないが、品質の良さは部品を触るたびにしっかりと伝わってきた。手になじむハンドルや使い勝手抜群のジョグダイヤルなど、一つひとつを人間工学に基づいて考えながら、丁寧に作り上げている印象だ。ただ、センターコンソールのエアコン吹き出し口は納まりが悪い。モニター直下に横長の吹き出し口があるのに、なぜかモニターの左隣にも小さい吹き出し口が取って付けたようにあって、全体のバランスに違和感がある。V40はもっときれいに整理されており、洗練された印象を受けた。
非常に些細なことだが、運転席から左前方のワイパーが常に視界に入るのも気になった。写真を見ていただければ分かると思うが、何とかボンネットに隠すことはできないだろうか。
カーナビの音声認識は便利でもあり、不便でもあった。便利な点は、ステアリングの音声ボタンを押して「ナビ」「住所」などと話すだけで、カーナビのルート検索機能が起動することだ。ナビから住所を求められたら、都道府県名から番地まで住所を順番に伝えるだけで目的地を絞り込んでくれる。ただ、いかんせんナビが機械的に話すスピードや反応が遅いので、住所を絞り込むまでに2~3分はかかる。例えば『東京都千代田区大手町1-7-2』などと一発で伝えることができれば早いのだろうが、それだとナビが認識してくれない。『千代田区』『大手町』『1-7-2』を別々に伝えなくてはならない煩わしさがあり、地名を一つ言うたびに「千代田区でよろしいですか? よろしければ続きの住所を話してください」などと確認メッセージがゆ~っくりと入るので、なかなか先へ進まない。せっかちな人はだんだんとイライラが募ってくるはずだ。これなら電話番号検索などのほうがよっぽど早い。
車高200ミリという安心感
さて、V60 クロスカントリーをオフロードで走らせてみよう。神奈川県・相模湖周辺の県道に接した未舗装路や、山梨県・富士五湖の河口湖と西湖周辺を試してみた。ちなみに自動車メーカー主催のイベントで用意されるような本格オフロードコースを走るわけではないのであしからず。