造形美と機能性の両立 まさにグッドデザイン
RFは事実上この先代RHTの後継車種にあたるが、造形の美しさを損なわないことを最優先し後部ピラーを残す方式をとったことで、仮に屋根が開かないのだとしても成立し得る流麗なクーペの造形を手に入れた。
そのせいで開放感は多少犠牲になった旨は前回のインプレッションで書いたけれど、代わりに格納部分の面積を小さくすることで、トランク容量をロードスターと同水準で確保できたり、後述するように格納動作時間を世界最速にまで短縮することが可能になった。つまり、造形の美しさと機能性が見事に両立しているわけだ。まさにグッドデザインである。
加えて、これは特に長年のマツダ車ファンにとってはうれしいことだと思うが、RX-8の生産終了以来途絶えていたマツダ製のクーペを、このRFが(完全な形ではないにせよ)復活させたことも大きな意味を持つだろう。
VSグレードは欧州高級車風情
内装に目を移すと、デザインはロードスターと同じだが、グレードによって使われている素材が異なる。試乗車のVSというグレードでは、スペシャリティー感を重視した素材選びと配色がなされている。茶色のシートは柔らかな触感の高級素材ナッパレザーが使われており、ダッシュボード、ドア内張も同色のレザーが奢られている。
ロードスターも含め、他のグレードではレザーであっても黒系で統一されており、そのストイックさが魅力ながら色気に欠けるところがあったが、これならスポーティーであると同時に、おしゃれで高級な欧州のスポーツカーのような雰囲気も感じられる。
慣らし運転中のおろしたてながらシートの座り心地はすでに程良く柔らかく、座り初めから体のラインに馴染んで好感触。クッションは薄めだが、形状と素材の妙か長時間運転でも特定の部位が痛くなるようなこともなく、疲れが少ない。ロードスター、アバルト・124スパイダーも含め、シートの素材感はこのVSがダントツだ。
ハードトップの内張は、端までファブリックが張られ、幌屋根の様に剥き出しの梁がない(その役割は後部ピラーが担っている)から、固定式屋根のクーペと遜色ない質感がある。