エンジン、変速・駆動・操舵・制動の各装置、シャーシにサスペンションなど、すべてむき出しのパーツを様々な角度から見ることができる。個人的には差動装置(ディファレンシャルギア)の動態展示が地味ながら一番興味深く、「コレ初めに考えた人、天才!」とちょっと感動。
エンジンもいいけどメーターもね!~開発技術の変遷~
「仕組みと構成部品」で見てきた各技術の進歩・発展の道のりを、各時代を代表する実際の部品で追っていく展示。
かなりのスペースを歴代のエンジンが占め、それはそれで無論ヨダレものなのだけれど、私は(またしても地味だが)メーターパネルの変遷が面白かった。
シンプルなアナログ指針に始まり、スポーツカーの流行とともに多連メーターの時代が来る。その後、一気にデジタル&電光表示に振れてから、結局またアナログに回帰する。新しい技術というのは、流行の振れ幅が大きく廃れるのも早いけれど、時を経てふるいにかけられ残ったものに真の価値がある、ということを教えてくれるような気がしたのだ。
ソアラのデジパネ(写真撮りそびれました)はそのデザインの突き抜け方から「バブルだなぁ」という印象が強いが、速度だけデジタル表示というのは、最近のトレンドであるダッシュボード上のオーバーヘッドディスプレイに適した表示方法だったりもするので、派手なだけでなく先見性があったことにも気づかされた。
自動車とは奇跡の乗り物と見つけたり~生産技術の変遷~
「創業期」の展示で使われた等身大のジオラマの展示法をここでも展開。トヨタの記念すべき乗用車第1号「A型」の生産工程がリアルに再現されている。
報道番組の資料映像などでよく見かける高度にロボット化された現代的なオートメーションの動態展示もダイナミックで目を奪われるが、一番感動したのは創業期の鍛造工程を再現した展示。
クルマを旋回させるために前輪に舵角を付けるステアリングナックルという部品がある。非常に高い強度と耐久性が求められるこの小さな部品を鍛造するプロセスが、等身大ジオラマで再現されている。