【試乗インプレ】オーナー自ら操るという選択肢 幽霊のように舞うロールス・ロイス「ゴースト」 (1/5ページ)

  • 国会議事堂前を走るロールス・ロイス「ゴースト」。漆黒のボディを身に纏った不気味な風貌はまさに“幽霊”のよう
  • ゴーストと明治百年記念展望塔
  • 東京湾アクアラインのトンネル内を走行
  • 後席からの景色。まるで音を消したテレビ画面を眺めているような感覚に陥る
  • ロールス・ロイスのゴースト
  • ロールス・ロイスのゴースト
  • ロールス・ロイスのゴースト
  • ロールス・ロイスのゴースト。職人が手描きしたオレンジ色のコーチラインがアクセント
  • ゴーストのダッシュボード周り
  • オレンジ色の針先がお洒落なアナログ時計。ダッシュボードはアルミニウムをカーボン素材に織り込んだコンポジット材を使用
  • キラリと輝くパワーウインドースイッチ
  • ドアトリムに配したスピーカーとインナーハンドル
  • ホワイトバックが美しいメーターパネル。その下は液晶ディスプレイ
  • 上から電気式パーキング、オートホールド、エンジンボタン
  • オレンジの加飾が映える細めのステアリングホイール。中央にはロールス・ロイスのエンブレム「ダブルアール」(RR)
  • ハンドル脇のシフトレバー
  • センターコンソール中央のロータリーコントローラーは、ダイアル上部がタッチパッドになっている
  • エアコンの操作スイッチ
  • 運転席のラムウールマットレス。アクセルペダルはオルガン式
  • 灯火類の操作パネル
  • 電動カーテンを閉めたリヤウインドー
  • 広々とした後席。シートクーラーを入れると、シート全体から冷風が噴き出してきた。ガーゼを置いたら浮いたのにはびっくり
  • 9.2インチモニター。その下のテーブルは手前に引き出して使う
  • テーブルを使う時はいったん引き上げてから、次に手前に倒す
  • テーブルのセッティング完了
  • シートバックの9.2インチモニター
  • ゴージャスな運転席周り
  • 雨が降ってきたらここに傘が…
  • これだけでも売ってほしいと思うほど質感の高いロールス・ロイスの傘
  • ロールス・ロイスの「ゴースト」
  • ゴーストのLEDヘッドランプと、職人が手描きしたオレンジ色のコーチライン
  • エンジンフードを開けても絵になる
  • 6.6リッターV12ターボエンジン
  • 威厳を感じるリヤビュー
  • ドアの向こうには経験したことのない異空間が待っていた
  • コーチドアはロールス・ロイスの象徴の一つ
  • 威風堂々とした佇まい
  • 職人が手描きしたオレンジ色のコーチライン。外周にカーボンを使用した21インチのブラック・バッジ専用ホイール
  • 後席はコーチドア(観音開き)
  • 今日は前と後ろのどちらで?
  • 余裕のレッグスペース
  • 降りるときは身だしなみのチェックを!
  • 漆黒に塗られたスピリット・オブ・エクスタシーと、ロールス・ロイスのエンブレム(ブラック・バッジモデル)。標準モデルと配色が反転している
  • 国会議事堂前を走るゴースト
  • 日が落ち始めた迎賓館前とゴースト
  • 夕暮れ時の迎賓館前とゴースト
  • 漆黒のボディがミステリアス。日没が迫り、どこか不気味な雰囲気を醸し出す
  • 全長5.4メートルにも達する伸びやかなボディが美しいロールス・ロイス「ゴースト」
  • 国会議事堂周辺を走るゴースト
  • ゴージャスなインテリア
  • 広大なリヤスペース。これが最上位モデルの「ファントム」だと一体どうなるのか…
  • 後席は3名まで乗車可能だが、ショーファードリブンならやはり1人で贅沢に乗りたいところ
  • 頭上に広がる満天の星空「スターライト・ヘッドライナー」
  • ルームランプの操作パネル。中央の星マークのスイッチで「スターライト・ヘッドライナー」の明るさを調節できる
  • 後席アームレストを倒した奥には…
  • シャンパングラスを2本も横置きできるトレー
  • ゴーストの冷蔵庫(小島純一撮影)=アイフォーンXで撮影


 ロールス・ロイスといえば、ショーファードリブンと呼ばれる「運転手付きの高級車」をイメージされる方が多いのではないだろうか。実際、そのような用途に最も適したスーパーラグジュアリーの代名詞ともいえる存在なのだが、実はオーナー自ら運転する喜びを訴求したモデルも展開している。今回は4ドアサルーン「ゴースト」のハイパフォーマンスモデル、「ゴースト ブラック・バッジ」に試乗。往路は後席のパッセンジャーとして、復路はドライバーとして“未知の領域”に足を踏み入れてみた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz)

 リヤシートで味わう別世界

 ロールス・ロイスは1906年にイギリスで設立された超高級自動車メーカーだ。現行ラインアップの頂点に立つ「ファントム」をはじめ、歴代のロールス・ロイスには「幽霊」を意味する車名が多いのが特徴。その中でもゴーストはわれわれ日本人にとって最も馴染みのある、広く知られた単語だろう。ちょっと不気味で、どこか神秘的でもある車名を用いる理由は、「幽霊のように静かに動く」からだと言われている。

 ゴーストはロールス・ロイスの中で中核モデルの役割を担っているが、いざ目の前にすると言わずもがなデカイ。威風堂々と構える伸びやかなボディは全長5399ミリ、全幅1948ミリ、全高1550ミリを誇り、ホイールベースは3メートルを優に超える。パワートレーンは6.6リッターのV型12気筒ターボエンジンに8速ATが組み合わされ、標準モデルから42馬力も引き上げたブラック・バッジは612PSというハイパワーを絞り出す。

 いつもなら真っ先に運転席に収まるところだが、ロールス・ロイスならまずはショーファードリブンを試すのが定石だ。運転は同行した小島記者に任せ、筆者はコーチドアと呼ばれる観音開きのドアの奥に広がる後部座席に乗り込んだ。

天井に広がる満天の星空

     確かに他と比べれば大きいが…  途中からショーファー気分に浸りながら後席の小島記者に乗り心地を訪ねると、「いやー、素晴らしいね。気持ちよすぎて眠っちゃいそう」とご満悦の様子。しばらくすると、静寂な車内の後方から本当に寝息が聞こえてきた。ショーファーとして快適性を意識しながら運転していた筆者としては、たまらなく嬉しい瞬間だ。これは筆者の運転技術がもたらした結果ではなく、ロールス・ロイスだから快眠を誘えるのだ。  ロールス・ロイスを所有するオーナーの大半は、ビジネスで成功したような人たちだ。そんな彼らが愛用するゴーストはエントリーモデルとはいえ、他メーカーの高級セダンと比べると圧倒的に大きい。あまりピンとこないかもしれないが、ロールス・ロイスと肩を並べる超高級車、メルセデス・ベンツの「マイバッハ」とほぼ同じサイズである(ちなみに全長5465ミリ、全幅1915ミリ、全高1495ミリ)。地下駐車場では角を曲がるたびに神経を使ったし、ほとんどの機械式パーキングは全長・全幅でアウトだ。ガソリンスタンドに洗車で立ち寄ったときは、「この大きさだと止めるスペースが限られるので、混み合っているときは今後お断りさせていただくことがあります」とくぎを刺された。にもかかわらず、いったんサイズに慣れてしまえば、先述の通りほとんどの場面において運転に苦労することもなかった。「うちら庶民だからいいじゃん」と向かった某ファミリーレストランの駐車場では、ぎりぎり枠内に収めることもできた。富裕層がファミレスに行くかはさておき、ゴーストは後ろに乗っても運転しても非常に収まりの良い、扱いやすい高級サルーンなのだ。  優美かつダイナミックな佇まいと、濃密という意味でのリッチ感に満ちた最上級クラスの快適性とエレガントな設え。そんなラグジュアリー空間に身を置いて、ショーファードリブンによる至極の時を過ごしながら目的地へ向かう喜びは格別だ。ときにはオーナー自らハンドルを握って-。そんな贅沢な選択肢があるのがゴーストだ。  次回は4人乗りコンバーチブル「ドーン」を紹介する。お楽しみに。 ■ロールス・ロイス ゴースト(ブラック・バッジ) 全長×全幅×全高:5399×1948×1550ミリ ホイールベース:3295ミリ 車両重量:2490キロ エンジン:ターボチャージャー付きV型12気筒 総排気量:6.6リットル 最高出力:450kW(612ps)/5250rpm 最大トルク:840Nm/1650~5000rpm トランスミッション:8速AT タイヤ:(前)255/40R21(後)285/35R21 駆動方式:後輪駆動 トランク容量:490リットル 定員:5名 最高速度:250キロ/h(リミッター制御) ハンドル:右 燃費:6.01キロ/L(筆者が満タン法で計測) 車両本体価格:3890万円