【試乗インプレ】実直の権化がプレミアムブランドの牙城に挑む VW・アルテオン (2/5ページ)

  • 風力発電用の巨大な風車をバックに、東京・江東区の若洲公園にて。VW・アルテオン
  • 内装はデザイン、質感ともにパサートの上級グレードとほぼ同じ。機能的で飽きの来ない造形は評価したいが、500万円超えのクルマとしてはもう一段上の高級感が欲しい。VW・アルテオン
  • 280馬力を発生する2リッター4気筒ターボTSIエンジン。VW・アルテオン
  • シャープな顔つき、ヘッドライトユニットのデザインや幅広の横桟グリルはトヨタ・カムリに通じるものがある。VW・アルテオン
  • 試乗車はガラスルーフ付き。VW・アルテオン
  • 曲線で構成されつつ、VWらしい水平基調もきっちり入っている。BMW・4シリーズグランクーペやアウディ・A5スポーツバックなどのライバルよりもカッコいいかも。VW・アルテオン
  • センターピラーから後ろは大胆にスラントしているが、後席の頭上空間は十分に確保されている。VW・アルテオン
  • グッと張り出したリアフェンダーがスポーティー。VW・アルテオン
  • 他のVW車と違い、曲線の印象が強く残る。VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • ヘッドライト消灯時と点灯時。VW・アルテオン
  • 日本には上級グレードのR-Lineのみ導入。VW・アルテオン
  • ドアミラーは格納時、斜め上を向く。VW・アルテオン
  • R-Line専用のサイドモール(上)とドアハンドル。(下)VW・アルテオン
  • VWおなじみ、リアハッチに装備されたエンブレム兼ハッチハンドル兼格納式カメラ。ギアをリバースに入れるとカメラが顔を出す。(左)フュエルリッドはスマートキーを持って近くにいれば常時解除、そのまま手で開けられる。(右)VW・アルテオン
  • 流れるウインカーを採用し、サイドに大きく回り込んだ細目のリアコンビランプ。VW・アルテオン
  • テールパイプフィニッシャーがリアビューを引き締める。VW・アルテオン
  • タイヤサイズは前(上)後(下)ともに245/35R20と大径かつ低扁平で銘柄はピレリ・Pゼロ、とスポーティーな組み合わせ。四輪駆動だけあって、ブレーキディスクのサイズは前後で共通のようだ。VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • 「R」マーク入り本革シートはたっぷりサイズでホールド性が高い。VW・アルテオン
  • VWのGT、R系に採用されているD型ハンドル。楕円断面の太い握りが気分を高めてくれる。VW・アルテオン
  • アルミと本革コンビのシフトレバー。剛性が高く、操作するたびに満足度が少しずつ上がっていく。VW・アルテオン
  • 後席からの眺め。VW・アルテオン
  • 後席にも開放感をおすそ分け。VW・アルテオン
  • ガラスルーフの開口面積はそれほど大きくない。開かなくてもいいから、ヴァリアント系やミニバン系のようにガラス面積だけはもうちょっと広くしてほしい。VW・アルテオン
  • ガラスルーフを開けると前席頭上から陽光が差し込み、キャビンがパッと明るくなる。VW・アルテオン
  • ギアをリバースに入れてバックカメラを起動。前後左右のカメラ画像をリアルタイムで合成・表示するアラウンドモニターも装備。VW・アルテオン
  • 9.2インチ液晶のインフォテイメントシステムはタッチパネル式でスマホ的なインターフェース(左下)。メーターも全面液晶を採用、ナビのほか、様々な機能表示を切り替えることができる。VW・アルテオン
  • ハンドル周りのレバー、スイッチ類。左上から時計回りにウインカーレバー、ワイパーレバー、インフォテイメント操作ボタン、クルーズコントロール操作ボタン。VW・アルテオン
  • センターコンソールのドリンクホルダーとひじ掛け下のボックス、閉じた状態(上)と開いた状態ボックス内にはUSBジャックとミニジャックのオーディオ入力各1基を装備(下)。VW・アルテオン
  • 運転席のウインドースイッチ類(左上)とパワーシートのスイッチ。シート位置のメモリーは2つ設定できる。(右上)アクセルペダルが吊り下げ式なのは高級感を阻害していて残念。配置も右ハンドルのFFということでやや中央寄り。(下)VW・アルテオン
  • インナードアハンドルの前にスピーカーグリル。(上)ドア内張りにはオレンジ系のイルミネーションモール。控えめの照度だから、夜間走行の邪魔にならず、キャビンの雰囲気を上品にアップさせてくれる。(下)VW・アルテオン
  • 左上から時計回りに後席ルームランプ、前席ルームランプ、助手席ダッシュボード内のDVDドライブとETC&SDカードスロット、サンシェード裏のバニティーミラーとランプ。VW・アルテオン
  • 身長172センチの筆者が座って広さはこんな感じ。足が組める後席の広さはハイヤー級。背もたれの角度は立ちすぎず寝すぎずの絶妙な角度。後席で長距離移動したくなる快適な座り心地。VW・アルテオン
  • リアハッチは大きく高く開く。開口部はそこそこ低く、幅もあるので、荷物の積み下ろしはしやすそう。VW・アルテオン
  • 幅、奥行きともにステーションワゴンクラスの広さ。大人一人なら足を伸ばして横になれる。ただし、スタイル優先で高さはセダン並み、また、後席を倒した時には段差が残る。VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • VW・アルテオン
  • レインボーブリッジをバックに、品川ふ頭にて。VW・アルテオン
  • 品川ふ頭にて。VW・アルテオン
  • 色とりどりのコンテナとボディーカラーのコントラストが面白い。品川ふ頭にて。VW・アルテオン
  • 品川ふ頭にて。VW・アルテオン
  • 品川ふ頭にて。VW・アルテオン
  • 東京・江東区の若洲公園にて。VW・アルテオン
  • ロケ地の若洲公園はキャンプサイトを併設。都内に住む人が手軽に日帰りキャンプを楽しむのにちょうどいい。台場方面から東京ゲートブリッジを渡ってすぐ。【試乗インプレ】VW・アルテオン


 その造形やサイズからは「余裕」あるいは「自信」という言葉が想起され、このクルマに乗ることでドライバーが自らを鼓舞し、周囲に存在感を示すことができる予感に溢れている。つまり、ステータスシンボルになり得るクルマということであり、プレミアムカーとして十分な資質を持った外観デザインだと思う。

 ライバルと比べた場合、BMWやアウディが3シリーズやA4などの既存車種のイメージに縛られる部分があるなかで、アルテオンはより自由にデザインされているとも感じる。

 VWらしからぬ外観デザインで注目を集めた3ドアクーペのシロッコが、日本での販売を終了してから久しいこともあって、「攻めてるVW車」の再来は一人のクルマ好きとして大いに歓迎したい。

 ドアがサッシレスなのも、いかにもクーペという感じで気分が上がる。

 高級車として差別化が課題

 そのドアを開けて運転席に座りぐるりと見まわしてみると、内装デザインはほぼパサートと同じだ。個人的にはパサートの内装は国産、輸入車を含めた現行全車種の中で一番気に入っているのだが、パサートより上位に位置付けられ、グレードによっては100万円以上高額なアルテオンの内装が、ほぼ同じなのはいかがなものか。

 価格なりの質感向上は当然として、そもそも既存デザインの流用ではなく外観イメージにマッチしたクラス感のある新規デザインを盛り込んでほしいところだ。

 目新しさがないことに目をつぶれば、出来自体はあまり文句をつけるところがない。ホールド性のいい本革シート、全面液晶で高精細な表示のメーターパネル、9インチのタッチパネルディスプレイ、直線基調で統一感のある飽きの来ないデザインと操作性のいい適切なレイアウト。

 強いて粗探しすれば、ドア内側のハンドルの触感が無塗装樹脂で味気なかったことくらいか。乗り込む時には必ず手に触れる場所だけに、ここを改善するだけで、満足感はグッと上がるのではないだろうか。

 しかし繰り返しになるが、これらはすべてもともとクオリティーの高いパサートのインテリアから引き継いでいる特徴だ。絶対的な評価としては高い点数をあげられるけれども、「高級車として差別化されている」とユーザーが実感できるアルテオンならではの持ち味がないのは、やはり残念と言わざるを得ない。

リクライニング不要 絶妙な背もたれの角度

     パサートばかり持ち上げてしまったけれど、四輪駆動が必要ならアルテオン一択となる。FFしかないパサートの2リッター版最上位モデルとの40万の価格差を許容できるなら悪くない選択かもしれない。  他社ライバルの価格設定は、BMWの4シリーズグランクーペの四駆仕様が633万円から、アウディ・A5スポーツバックのクワトロ(四駆)は686万円からとやはりお高い。それぞれアルテオンとの価格差は約90万円と140万円で、お得感では圧倒的にアルテオンに分があるし、BMWもアウディもVWに比べてオプションの単価が高めに設定されているので、最終的な支払額ではもっと差が開く。  しかしライバルにはブランド力の強さに加え、BMWはミッションが8速、アウディは内装の質感が数段上と高いなりの理由もあって、なかなか悩ましい。  また、既存VW車とプレミアムブランドの隙間を狙う絶妙な価格設定、と見ることもできる。松・竹・梅と並べられると竹を選びがちな日本人の心理を狙っているのかもしれない。  お得感と外観デザインの魅力で、どこまでライバルの牙城を崩せるか、要注目である。▼【試乗インプレ】のアーカイブはこちらから ■基本スペック フォルクスワーゲン・アルテオンR-Line4MOTION Advance 7DSG 全長/全幅/全高(m) 4.865/1.875/1.435 ホイールベース 2.835m 車両重量 1,720kg 乗車定員 5名 エンジン 直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ 総排気量 1.984L 駆動方式 四輪駆動 燃料タンク容量 66L 最高出力 206kW(280馬力)/5600rpm~6500rpm 最大トルク 350N・m(35.7kgf・m)/1700rpm~5600rpm JC08モード燃費 13.3km/L 車両本体価格 599万円