「コンピューターと対戦」の目新しさ
大阪府岸和田市出身で、ゲームの開発に携わったという元タイトー社員、西角(にしかど)友宏さん(74)は、インベーダーブームが起きた理由について「敵が攻撃してくるという、過去にはなかったシューティングゲームだったことが大きい」と分析する。これまでのゲームはブロック崩しのように、プレーヤーが一方的に攻めるだけだったが、スペースインベーダーはコンピューターと対戦する目新しさがあったという。
それに加えて、タコやイカ、カニをモチーフにしたシンプルな敵のキャラクターも人気を呼び、「名古屋撃ち」などと呼ばれる攻略法も話題に。「左右に動いて敵を撃つというシンプルな操作性も、多くの人に遊んでいただくことになった思う」と話した。
しかし、インベーダーゲームをしたい若者たちが、ゲーム代欲しさの恐喝事件や窃盗事件が多発。未成年が深夜に繁華街を徘徊(はいかい)するなどの問題も表面化し、教育現場が対応に追われる騒ぎに発展した。昭和54年6月、全日本遊園協会が「インベーダータイプ・ゲームマシン運営自粛宣言」を出したことで、ゲームセンターへの来場者が激減。社会現象にまでなった爆発的なブームは、アッという間に終息することになった。