ハロウィーン当日の東京・渋谷は仮装姿の若者や見物客でごった返していた一方で、混乱を避けるためにいつもより早く閉めた店舗も散見された。この大混乱の中で、商機をつかんだのは誰だったのだろうか? ITmediaビジネスオンラインで小売分野を担当する記者が現地を取材した。
コンビニには大量の箱が
10月31日午後5時、JR渋谷駅前の渋谷スクランブル交差点とセンター街は多くの人でにぎわっていた。周囲が暗くなるにつれて仮装姿の若者が徐々に増えていく。
記者はまずセンター街にあるコンビニに入ってみた。渋谷区は群衆が特に集まる場所で営業している大手コンビニチェーンと「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」(以下、ドンキ渋谷本店)の計17店舗に対して、瓶に入ったアルコールの販売自粛を要請していたので、その状況を確認するためだ。
コンビニに入ってまず目に飛び込んできたのは、ATM(現金自動預払機)の前に積まれた大量のチューハイやドリンクの箱だった。ATMには「本日ハロウィーンのため、ATMは使用できません」と書かれた紙が貼りつけてある。さらに、バックヤードに収まりきらないとみられる箱が山積みされており、いくつかの通路がふさがれていた。この時間帯にこれほどの量の箱があるのは極めて珍しいといえる。
瓶に入ったアルコールの販売は自粛されていた
冷蔵庫に向かってみると、チューハイの「ストロングゼロ」や「アサヒもぎたてシリーズ」といったアルコール飲料が大量に並んでいた。記者はこのお店を以前利用したことがあるが、その時に陳列されていたはずの緑茶ハイなどは見当たらなかった。若者に支持される売れ筋商品を集中的に販売する狙いがあるようだ。
冷蔵庫の一番下に大量のボトルワインが並んでおり、一瞬、わが目をうたがった。このチェーンは販売自粛を明言していたはずである。しかし、実際に手に取ってみると、ペットボトル容器に入ったワインだと分かった。