法人税代替財源 研究開発減税縮小で捻出 「総額型」見直し検討
政府は12日、来年度から実施する法人税の実効税率引き下げに伴う代替財源として、研究開発減税の縮小で捻出(ねんしゅつ)するお金を充てる方向で検討に入った。企業が使う試験研究費の8~10%に相当する金額のうち、法人税額の30%分を上限に納税額から差し引くこと(控除)を認める「総額型」と呼ばれる制度の控除限度額を縮める方向。財政再建に配慮して、実効税率を下げる代わりに現行の政策減税を見直し、企業に相応の負担を求める必要があると判断した。
研究開発減税の柱である「総額型」は、2003年度に創設された制度。たとえば大企業が年100億円の研究開発を行った場合、8~10%に当たる8億~10億円のうち、30%に相当する2億4000万~3億円に対し税金がかからない仕組み。
今回、政府が総額型の見直しを検討するのは、制度自体が法人税の実効税率が欧州やアジア各国に比べ突出して高かった時代に、企業の法人税負担を軽減する補助金的な役割で導入された経緯があるためだ。
首相の諮問機関である政府税制調査会が6月にまとめた法人税改革案でも「総額型については大胆に縮減し、研究開発投資の増加を促す仕組みに転換すべきだ」と提言されている。
研究開発減税にはほかに、投資額を増やした企業の税負担を減らす「増加型」と「高水準型」があり、12年度の減税総額は3954億円。
このうち総額型が全体の93%の3686億円を占めており、仮に総額型に限って全廃したとすれば、法人税の実効税率を1%下げることに伴う約4700億円の税収減の多くを賄える計算となる。
政府は今年6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」に、法人税の実効税率(標準税率34.62%、東京都は35.64%)について「来年度からの数年間で20%台に引き下げることを目指す」と明記した。甘利明経済再生担当相は15年度から5年間程度で、ドイツ並みの29%程度への引き下げに意欲を示している。
ただ財政健全化との両立の観点から、骨太方針では法人税減税に際し「課税ベースの拡大などによる恒久財源の確保」が盛り込まれており、税収減をどう穴埋めするかが焦点となっている。
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