■世の中に漂う寛容な空気
5%だった消費税の税率が4月から8%に引き上げられた。この機会を待っていたかのように、多くの企業や事業者が、外国産農産物など原材料価格の値上がり分や、原発停止を受けた電気代の上昇分など、複数のコストアップ要因も併せて価格転嫁した。4月以降のいろいろな製品やサービスの値上げを見ると、3%はおろか、5%や10%以上という値上げ幅もあった。メーカーや事業者らは、価格転嫁すべき要因がいくつもあると説明する。だから「便乗値上げ」や「不当な値上げ」ではないと強調している。
だが、それに近い不適切な値上げに見えるものも少なくない。特に納得しづらい事例の代表といえるのが、「4月からは新たに8%の消費税をいただきます」というパターンだ。これまでの税込み総額だった価格が、いきなり本体価格にすり替わり、ここに8%が乗る。これまで内税として処理されていたはずの5%分は、明らかに“二重取り”となる。小規模な店舗に多いようで、実は筆者が利用している飲食店にもあった。店主に理由をただしても「消費税が8%に上がりましたので…」などと要領を得ない。
その際、驚いたのは、他の来店客はその不可解な値上げ方法について、ことさら問題視していなかったことだ。