独法を87法人に削減 政府方針、財政支出1000億円抑制期待
政府は13日、現在98ある独立行政法人(独法)を2016年4月に統廃合する方針を固めた。事業や専門分野が近い法人は統合して87法人に減らし、無駄の削減とともに相乗効果を狙う。月内に決定し、来年の通常国会に関連法案を提出する。来年10月に予定される消費税率10%への引き上げを控え、安倍晋三首相は3兆円近い国費が投入されている独法改革を加速し、行政スリム化を目指す。
統廃合は、業務内容が近い19法人が対象。自動車が安全・環境基準に適合するかを審査する「自動車検査独立行政法人」と自動車の構造や装置の不具合を検証する「交通安全環境研究所」を1つにするほか、大学生らに航海訓練を行う「航海訓練所」と船員教育を担う「海技教育機構」を統合するなど8法人に減らし、財政支出の削減と業務効率化を図る。
国は現在、独法に運営費交付金など約2兆8000億円(14年度予算)を交付している。01年4月に独法制度が始まった当初、法人数は57だったが、05年10月には113に増加。財政支出も約3兆5000億円まで膨らみ、国の厳しい台所事情の一因となってきた。具体的な試算はないが、削減によって1000億円近い財政支出の抑制が期待される。
今月中に首相がトップを務める行政改革推進本部で新法人への移行を16年4月と決める。15年10月に消費税率10%への引き上げが予定される中、政府は「無駄な事務・事業の見直しがなければ国民の理解は得られず、スピード感をもって改革していく必要がある」(首相周辺)と判断した。
独法改革に首相が意欲をみせる背景には、第1次政権時代に取り組んだ改革案が頓挫した経緯がある。
当時、渡辺喜美行政改革担当相が102ある独法を86法人に統廃合し、財政支出を約1570億円削減するプランをまとめたものの、関連法整備までは至らなかった。
このため、首相は行革推進本部による決定を月内に行い、新法人への移行時期など改革に向けた道筋を早期に描く必要があるとの考えに傾いた。
【用語解説】独立行政法人
公共性が高く、民間に委ねた場合に実施されない可能性がある研究事業などを行う法人。中央省庁再編に伴い、国の事務・事業を分離する形で2001年4月に制度がスタートし、国から運営費交付金や負担金など2兆7799億円(14年度)が支出されている。常勤職員数は約14万人。
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