原油価格の不安定化に懸念 日本の高度な技術どう生かす
国際金融経済分析会合国際金融経済分析会合の第6回会合では、有識者から原油価格の乱高下に対する懸念の声が相次いだ。原油市場の混乱は急速な円高や物価変動につながり、日本経済や世界経済の重しになりかねない。こうしたエネルギーリスクを回避、緩和するために、高度なエネルギー効率化の技術を持つ日本が役割を果たすことへの期待は大きい。
安倍晋三首相は会合の冒頭、「原油価格の低下や中国経済の減速などで世界経済の不透明さが増している」と危機感を示し、サミットでは「日本が議長国としてリーダーシップを発揮したい」と述べた。
足元の原油価格は落ち着きを見せている。20日のニューヨーク原油先物相場は続伸し、指標の米国産標準油種(WTI)5月渡しは一時1バレル=42・91ドルと、約5カ月ぶりの高値まで上昇。増産凍結の合意を目指した産油国会合が5月にロシアで開かれるとの観測などが後押しした。
分析会合で、長期的に原油価格が不安定化する懸念が示された背景には、原油安で油田開発コストがかさみ、北米、メキシコなどでの投資が減り続けている現状がある。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は生産減に加え、政情不安のある中東への依存が強まる恐れがあり、各国が安定供給を確保できる「エネルギー安全保障」のリスクが「増幅される」と警告した。
原油価格の不安定化は経済に悪影響を与える。
特に金融市場について、大和総研の長内智エコノミストは「緩やかな原油高は円安要因になるが、急騰や乱高下は原油市場から投資マネーを逃し、安全資産とされる円に向かわせ、急激な円高を引き起こす」と指摘する。円高は日本の株安や輸出企業の業績悪化につながる。
また、急激な原油高は世界の「工場」であり「消費地」である新興国の物価急騰につながりやすく、景気悪化が世界経済に波及する。日本でも、経済の体力回復に先行して物価高が進み、消費が冷えて、停滞感の強まっている日本経済が腰折れしかねない。
大和総研の長内氏は「日本はエネルギー効率の高い技術に強みを持っている」と指摘。「原発を含む発電技術や新幹線など高効率なインフラ輸出に力を入れ、世界のエネルギーリスクへの対応に貢献すべきだ」としている。(山口暢彦)
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