安倍首相、消費税は「予定通り引き上げる。リーマン・ショック、大震災級が起こらない限り」

党首討論詳報(1)
国家基本政策委員会合同審査会で討論する民進党・岡田克也氏(左)と安倍晋三首相=18日午後、国会・衆院第1委員室(山崎冬紘撮影)

 安倍晋三首相は18日、民進党の岡田克也代表らとの党首討論に臨んだ。党首討論は昨年6月以来、11カ月ぶりで、今国会では初めて。夏の参院選をにらみ来年4月の消費税率10%への引き上げの可否や憲法改正について議論が交わされた。岡田氏が増税先送りを初めて公の場で求める一方、首相は予定通り引き上げるとする従来の答弁に終始。また、首相は憲法改正をめぐり民進党も対案を示すよう岡田氏に求めたが、岡田氏は拒否した。党首討論の詳報は次の通り。

 岡田氏「消費税について議論したい。首相はたびたび、リーマン・ショックや大震災のような出来事がない限り、予定通り来年の4月から10%にすると。リーマン・ショック時代と比べると、現状はそうではないことは誰が見ても分かる。ということは、予定通り10%に引き上げるということか」

 安倍首相「今まで言ってきた通りだ。世界に冠たる社会保障制度を次の世代に引き渡していくために必要だとの考え方のもとに、3%の引き上げを行った。次の2%の引き上げについては、従来申し上げている通り、リーマン・ショックあるいは大震災級の影響ある出来事が起こらない限り予定通り引き上げる考えだが、いずれにせよ、そういう状況であるかないかは専門家に議論していただき、適時適切に判断したい」

 岡田氏「1年半前の衆院解散時の首相の記者会見を思い出す。首相は『10%への消費税増税を再び延期することはない。ここではっきりと断言する。3年間、3本の矢をさらに前に進めることで、必ずやその経済状況を作り出すことができる』と言った。経済判断条項も削除した。つまり、必ず消費税を上げられる状況に持っていく、ということを解散時に約束した。『これはアベノミクス解散だ』と言った」

 「経済の現状はどうか。まあもちろん、リーマン・ショックとは違う。しかし、順調な回復軌道に乗っているかというと、残念ながらそういう状況ではない。今日も国内総生産(GDP)の1~3月の数字が出たが、消費はやはり力強くない。なかなか、消費税を上げられるか微妙な状況。あるいは上げられないかもしれない。私はやはり、この1年半の経済運営がうまくいかなかったということだと思う。国民の皆さんにあれだけ断言して選挙したのだから、きちんと説明する責任がある」

 安倍首相「速報値は年率でいえば名目2%、そして実質1・7%の成長だった。その結果、安倍政権下の3本の矢の政策、アベノミクスと言われる政策を進めてきて以来の3年間の結果、名目で6・4%の成長だ。実質2・5%だから、経済政策は功を奏していると思っている。いま『え~っ?!』という声があったが、名目6・4%だ。民主党政権時代は、実質5・7%だったが、名目は0・7%。5%のデフレだったということを示している。われわれ安倍政権ができて以降、自公連立政権ができて以降、名目と実質の逆転を正常化させることができた。これは20年近く続いていたデフレから脱却する上において私は大きな一歩だったことは間違いない」

 岡田氏「経済政策を全否定するつもりはない。実績をあげたところもあると思っている。ただ、20年間デフレだったという20年のほとんどは自民党政権だ。また、半年前の政府の見通しをかなり下回った。だから、うまくいっていないと思う。うまくいっているから、消費税はちゃんと10%に上げるということなのかもしれないが…。あれだけ『これから3年間で必ず消費税を上げられる状況にもっていく』と国民に約束した。その約束が果たされていないなら、私は内閣総辞職だと思う。そのくらいの責任があるということを申し上げておきたい。いろんな声が自民党内にある。例えば『公約違反』とか、『アベノミクスが失敗だ』ということはないんだけれども、『やむを得ず10%を先送りする』と、ここ2週間ぐらいの間に、首相が言われるんじゃないかという意見もある。自民党の中にも、それを期待する意見もあると思う。そういうことはないと断言するか」

 安倍首相「20年間の多くは自民党政権との指摘があった。ほとんどは自民党政権だったし、安倍政権も含まれている。前の安倍政権下でも企業は最高の収益を挙げていたが、給料は伸びなかった。そうした反省も含めていま政策を遂行している。世界経済の状況について言えば、下方リスクがある。中国経済の減速、テロなど。先般回ってきたイタリア、フランス、ドイツ、そしてイギリス、EU(欧州連合)の認識もそうだった。明日も国際金融経済の分析会合を開いて、専門家の意見を聞く」

=(2)に続く