共産・志位和夫委員長「消費落ち込みの原因は?」、安倍首相「実質賃金は上がっている」
党首討論詳報(5)共産党・志位和夫委員長「今日は消費税増税問題について首相の姿勢をただしたい。消費税を8%に引き上げて以来、日本経済の6割を占める個人消費は冷え込み続けている。増税から2年あまりが経過したが、個人消費は増税前に比べ一貫してマイナスが続いている。今日発表された今年1~3月期の数値でも個人消費は増税前に比べると実質で年額8兆円も落ち込んだままになっている。3月3日の参院予算委員会でわが党議員の質問に対し、首相は8%の引き上げで予想以上に消費が落ち込んだのは事実であり、予想以上に長引いていると認めた。予想が外れたことを認めた。その原因をどうお考えになっているのか端的に答えてほしい」
安倍首相「われわれは平成24年12月に政権を担当して以来、デフレから脱却し、そして所得を増やし、また職を増やす。この挑戦を続けてきた。そしてデフレではないという状況を作ることはできたが、デフレ脱却には至っていない。デフレ脱却には至っていない中で、消費税を引き上げたことによって、いわばまだデフレマインドが残っている中において、消費について国民の皆さまが慎重になった。経営者の方々も投資に対して慎重になったのも事実だと思う」
「しかし、雇用においては、有効求人倍率においては47都道府県のうち46で1を超えているし、所得についてもベアが3年続き、またパートの皆さんの時給は過去最高になっていることは事実だ。雇用においても収入においても大きな成果が出ているのは事実だが、20年間続いてきたデフレ、世界にはこれをどう解決するかという教科書がないわけだから、新たな政策で臨んでいる。まだその道半ばでの消費税の引き上げにおいて、この消費の低迷が続いたと考えている」
志位氏「私は消費の落ち込みが予想以上になった原因について尋ねた。答えがなかった。総括も反省もないという態度だと思う。賃金が上がってきたと言うが、働く人1人あたりの実質賃金は4年連続マイナス、5%も目減りしている。なぜこんなに消費が落ち込んだのか。私は8%への増税実施直前の本会議の代表質問で、働く人の賃金が減り続け、ピーク時の1997(平成9)年に比べて70万円も減っていることを指摘し、このような経済情勢の基で増税を強行すれば、景気悪化の悪循環を引き起こすことは明らかだと述べ、増税の中止を求めた。それに対して答弁で、足下では雇用と所得は改善しているとして増税を強行した」
「長期にわたって働く人の賃金が減り続けているのに、その事実を見ようとせず追い打ちをかけるように増税をかぶせた。これが消費の落ち込みが予想以上になった原因といわなければならない。もう1問聞く。来年4月に予定されている消費税10%への引き上げについて、首相は国会答弁で、景気判断条項を削除した、従って消費税を上げるかどうかの景気判断を行うことを考えていないと繰り返し述べている。景気判断をしないということは消費税を10%に引き上げることで景気が悪化することが明白な場合であっても引き上げを行うのか。イエスかノーで答えてほしい」
安倍首相「まず実質賃金だが、足下の3月においては1人あたりの実質賃金においても1・4%のプラスになった。そして総雇用者所得でいえば、みんなの稼ぎだから、こちらで見た方がいい。先ほど申し上げた通り、110万人、新しい雇用を作っているわけだし、たとえば正規職員、正社員も26万人増えた。生産人口が減っている中で26万人増えるというのは結構大変なことだった。これは8年ぶり、前の安倍政権以来のことで、8年ぶりだということは申し上げておきたい」
「働く人が増える中においては、一人あたりの実質賃金はどうしても下がっていくわけだが、みんなの稼ぎで見る総雇用者所得においては名目はもちろん実質についても上がってきている。今、いろいろなことを指摘されたから、いくつか指摘をされた中においてその指摘を一つ一つお答えをしている。当然、1対1でやっているので私にも違うことをおっしゃっていれば反論する権利はあるので、反論はさせていただきたいと思う」
「そこで今申し上げたように、しっかりと実質賃金においても実質賃金というのは3%消費税を上げたから、その3%分を削られてしまうわけだから、そこで上げていくというのは大変だが、3月は1・4%プラスになったということはまず申し上げておきたい。その上で、消費税については先程来申し上げている通りで、リーマン・ショック、あるいは大震災級の影響のある出来事がない限り予定通り引き上げていく方針に変わりない」
=(6)に続く。
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