鉄鋼の供給過剰に協調対応表明 不当廉売めぐり対中圧力、文書採択へ 

伊勢志摩サミット

 26、27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で先進7カ国(G7)や欧州連合(EU)が、鉄鋼の過剰生産とダンピング(不当廉売)に懸念を示し、具体的な対応を求める最終調整に入ったことが23日、分かった。名指しこそ避けるとみられるが中国のダンピングが念頭にあり、自由貿易の推進に関連し、採択される文書に盛り込む公算が大きい。

 中国は世界の粗鋼生産の半分を占めるが、生産の余剰解消が進まず、ダンピングで輸出を進めていると批判されている。G7とEUは各国の鉄鋼産業の雇用悪化にもつながったとみて、対中圧力の強化で足並みをそろえた。

 欧米のサミット関係筋は「供給過剰の問題、特に鉄鋼部門の問題が討議される」とし、文書に反映されるとの見方を示した。

 サミットでは主に26日に通商問題が話し合われる。中国が主因とされる供給過剰や業界への政府補助に懸念を示し、国際的な共同歩調の必要性を打ち出す。

 この問題で中国を含む主要な鉄鋼生産国は4月に協議を開いたが、打開策で合意できず、「(中国が)具体的な対策を始めない限り問題は解決できない」(米商務省)などと反発が広がっていた。

 欧州議会は12日、世界貿易機関(WTO)が定める「市場経済国」に中国を認定することに反対する決議を採択した。市場経済国に認定されていない中国は、簡単な手続きで各国から反ダンピング措置を課されるなど通商面で不利な扱いを受けやすい。サミットを踏まえたダンピング問題への対応が、中国を市場経済国と認定するかどうかの議論にも影響しそうだ。(塩原永久)