鳩山元首相が中国主導のAIIB諮問委に 「世界は日本が加わらないことに不安感」と快諾の意向
鳩山由紀夫元首相は26日、北京市内で記者団の取材に応じ、中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁から「国際諮問委員会」の委員就任を打診されていたことを明らかにした。まだ正式な要請は受けていないが、鳩山氏は快諾する意向だという。
一問一答は以下の通り。
--総裁からどのような依頼があったか
「まだ正式に話はいただいていない。昨年11月に北京を訪れたときに、金立群総裁にお会いした。私はもともとAIIBに日本は参加したほうがいいと、こういうときに日中が協力する姿を見せることがアジアの国々にどんなに安心を与えるだろうかということを申し上げていた。そのことをご存じだったんだと思う」
「お会いしたときにAIIBのスタート後、引き受けていただけないかというお話はあった。自分としては時間のある限り、ありがたい話であると。このことで日中がより仲良くなるということであれば、ありがたい話だ。前向きに話を進めたいと思っていたが、それ以降、金総裁からは最終的な話はいただいていない」
--会ったのは昨年11月だけか。それ以降、書面などでの要請は?
「そのときだけだ。書面の要請はまだないが、就任の要請があったことは事実だ」
--今後の具体的なスケジュールなどは?
「うかがっていない」
--今回の訪中で金総裁と会う予定は?
「ない」
--金総裁から、どれぐらい会議に参加するかや、報酬などの条件面の話は?
「そういう話も一切ない」
--総理経験者としての立場でどういった助言をしてほしいなどの話は?
「私が日中友好のために努力をしている姿をみておられたと思う。私は、日本政府が必ずしも私をAIIBの諮問委員にすることを望んでいないのではないかという話は申し上げた」
「しかし、そのときに(金総裁は)日本から選ぶというのではなく、あなたを選びたいのだとおっしゃった。そういう意味で、友好にそれなりに努力をしてきていることが金総裁の頭にあるのではないかと推察する」
--今後は正式に書面で正式な打診があるのか
「最後は何らかの署名が必要なのではないか。来たらお受けしようと思う」
--なぜ金総裁は鳩山さんに打診したのか
「おそらく日本や米国など参加していない国があるけども、そうした国を除外するつもりはないと。従って諮問委員に日本人を入れる気持ちは持っており、それはあなたが一番適任ではないかと。そういう理由だろう」
--正式に就任後は、AIIBへのアドバイスとともに、日本政府にも改めてAIIBに参加するように呼びかけていくのか
「私は日本が参加するのが望ましいと今でも思っている。それとアジアのインフラを各地に整備するときに一番何が求められているのかを自分なりに判断したいと思う。日本の企業も大変な技術力を持っているから、そういったものに対する助言などもできればと思っている」
--元総理という肩書で就任することになれば、日本にとってどのようなメリットが生まれるのか
「私は日本にとってという以上に、世界はAIIBに日本が加わらないといことに対する不安感を持っている可能性がある。それに対して少しでもそういう不安を払拭することが望ましいと思っているし、また、できれば早く、日本がAIIBに加わるような環境がつくれないかと思っている」
--諮問委員会の全容についての説明はあったか
「若干あったとは思う。参加していない国から、米国からも入れたいという考えは持っておられた。(鳩山氏以外の候補として)政治に関わっている方の名前があったように思う」
--今回の訪中はAIIBの年次総会と関係あるのか
「まったく関係ない。本日これから、私の持論である『友愛』に関して講演をするのがメーンだ。(出席者は)民間の方だ」
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