移民NO、ポーランド系などへの嫌がらせ増加 ロンドン警視庁、取り締まり強化
■ポーランド系標的「こんなの初めて」
【ロンドン=岡部伸】欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票で移民の流入制限を掲げた離脱派が勝利して以降、英国でポーランドなどから来た移民への嫌がらせが相次いでいる。反移民感情に拍車が掛かったとの見方もあり、キャメロン首相は閣議で非難。ロンドン警視庁は「憎悪犯罪(ヘイトクライム)」として取り締まりを強化している。
警視庁によると、投票から3日後の6月26日朝、ロンドンにあるポーランド社会文化協会の入り口のガラスで、「うせろ」という殴り書きが見つかった。監視カメラにはこの日早朝、フードをかぶった男が自転車で近づき、スプレーで落書きする様子が写っていた。
また、英メディアによると、ロンドン北郊のハンティンドンでは、ポーランドからの移民を念頭に、「もはや必要ない」と英語とポーランド語で書かれたカードが配布されたという。
ポーランドからの移民は同国が2004年にEUに加盟した後、大挙して英国に働きに来ており、国家統計局によると14年には79万人が英国内に居住。外国出生者ではインドに次いで多く、EU域内では最多だ。このため、社会文化協会が嫌がらせの標的となったとみられる。
第二次大戦中に亡命ポーランド政府があったロンドンには、祖国がソ連の衛星国として共産化したため英国に住み着いたポーランド人のコミュニティーが存在する。
同協会のジョアナ・ムジンスカ会長は「ポーランド人が歩いていて、差別的な発言をされたり、不快な言葉が書かれた紙を渡されたりしたケースが報告されている。こんなことは初めてで衝撃を受けている」と語った。
ポーランド以外の中東欧諸国やイスラム諸国からの移民への嫌がらせも相次ぎ、計100件以上がソーシャルメディアなどで報告されたという。
キャメロン首相は27日の閣議で、こうした嫌がらせを強く非難。国連のゼイド人権高等弁務官も28日、嫌がらせの阻止に尽力するよう英当局に求めた。
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