為替介入で円安誘導にハードル 「口先」効果は一時的

英EU離脱Q&A

 英国の欧州連合(EU)離脱問題で金融市場が混乱し、急な円高・株安が進んでいることに対し、政府・日銀が警戒を強めている。景気の下押し圧力となりかねない円高の是正には為替介入が視野に入るが、実際はハードルも多い。その効果や実現可能性などについてQ&A形式でまとめた。

 Q 為替介入とはどういうものか

 A 為替相場の安定を目的に財務相の指示で日銀が円や外貨を売買すること。資金は国庫短期証券の発行などで調達する。政府・日銀は円相場が1ドル=75円32銭と戦後最高値をつけた2011年10月、円安誘導のために大規模な円売り・ドル買い介入を実施した。

 Q なぜ今、介入が取り沙汰されているのか

 A 英EU離脱問題で投資家のリスク回避姿勢が強まり、比較的安全な資産とされる円に買いが集まっているためだ。過度な円高は輸出企業などの業績悪化や株安を引き起こし、景気腰折れを招く。介入により円安が進めば、こうした事態を防ぐことができる。

 Q すぐに介入できそうか

 A 相手国の理解や協力が鍵になる。米国は大統領選を控え、輸出減などにつながるドル高を嫌い介入を強く牽制(けんせい)している。米国の了解がなく日本が強行しても規模は限定的で、市場に足元を見透かされてしまい、相場の流れを変える効果は見込みにくい。

 Q 他の国と協調して介入するのは難しいか

 A 東日本大震災時に円高が進んだ際は先進7カ国(G7)が円売りの協調介入で合意した。今回は英ポンドが急落したが、ポンド安は輸出に好都合なこともあって、英国から協調介入の要請はなかった。

 Q 実際はどんな対応がとれそうか

 A 政府は「必要に応じ対応する」などと口先介入を繰り返し、投機的な円買いを牽制(けんせい)しているが、効果は一時的だ。円の独歩高が進み、無秩序な動きと各国に認められれば介入に踏み切れる可能性がある。秋に予定する経済対策では円高で打撃を受ける中小企業の支援を検討している。