インボイス導入2年半延期、中小零細事業者に配慮、住宅・自動車の増税負担軽減策も軒並み先送り

 

 消費税率10%への引き上げを平成31年10月に2年半延期することを受けた政府の税制改正案が27日、分かった。軽減税率導入時に事業者の正確な納税に必要なインボイス(税額票)の義務付けを当初予定した33年4月から35年10月に延ばす。増税後の個人消費の減速を想定し予定していた住宅や自動車購入時の負担軽減策も軒並み、2年半遅らせる。

 自民、公明両党の税制調査会が週内に議論した上で政府が8月に閣議決定。秋の臨時国会に消費増税延期の関連法案を提出する。

 インボイスは、事業者が増税後の税率10%と飲食料品などの軽減税率8%の取引を仕分けるため、品目ごとの税率や税額を詳しく記す請求書。経理事務が複雑でシステム投資もかかるので増税と同時でなく33年4月に導入する方針だった。

 消費増税と軽減税率が再延期されてもインボイスには現時点で4年半以上の猶予があり、与党内には予定通りに導入を求める声もあった。だが、インボイスを発行できずに取引から排除される懸念がある免税事業者には、課税事業者に転換する企業も多いとみられ、こうした中小・零細事業者に十分な準備期間が必要とみて、延期を決めた。

 一方、納税額を厳密に計算しなくても済む「みなし課税」を軽減税率導入後1年限りで大企業にも認める特例は廃止する。

 入居から10年間、年間最大50万円分の所得税を減税する住宅ローン減税の期限は33年12月、住宅購入資金を親や祖父母から贈与された人の非課税枠を最大3千万円に拡充する措置は31年4月~32年3月に、いずれも延ばす。

 自動車取得税を廃止し、燃費性能に応じ購入価格の0~3%(軽自動車は0~2%)の税率を課す燃費新税は31年10月に遅らせる。