米FRB、追加利上げ見送る 「短期的なリスク低下」と9月に含み

 

 【フィラデルフィア=小雲規生】米連邦準備制度理事会(FRB)は27日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げの見送りを決めた。見送りは5会合連続で、主要な政策金利の誘導目標を0・25~0・5%に据え置く。ただし英国の欧州連合(EU)離脱決定の余波が収束しつつあるなか、声明には「経済の見通しに対する短期的なリスクは低下した」との文言を盛り込み、9月会合での追加利上げに含みを残した。

 声明は足下の労働市場の状況について「強くなった」とし、6月時点の「改善ペースが減速した」との分析から上方修正。経済活動は「緩やかに拡大している」とした。また、景気を引っ張る家計の消費支出は「力強く伸びた」とし、物価上昇率が中期的にはFRBが目標とする2%に向かうとの見解も維持した。

 FRBの声明は今年初めからの世界的な金融市場の混乱や、英国のEU離脱決定にも関わらず、米国経済の堅調な成長が続いているとの認識を示したかたちだ。このため金融市場では「次回9月のFOMCでの利上げの可能性はある」との見方が出ている。

 ただし声明は物価や世界経済、金融市場の動向を「引き続き慎重に見守る」ともしており、追加利上げへの道筋が完全には見通せていないことも明らかにしている。イエレン議長は8月26日にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる会合での講演で、米国経済や金融政策の見通しについて話す。

 今回のFOMCでは投票権がある10人のうち9人が追加利上げ見送りに賛成。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は2会合ぶりに0・25ポイントの追加利上げが妥当だとの見方を示した。